コーヒーという情熱

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コーヒーの未来を考える

2025.12.11

インタビュー

“コーヒーのリーディングカンパニー”ならではの人財育成制度で
コーヒーのプロフェッショナルを育てていく

企業の成長に欠かせない人財育成。コーヒーの総合企業であるキーコーヒーならではの教育制度について、人財開発課の担当者にインタビューしました。

総務人事部 人財開発課
係長 西牧 歩実


 

――キーコーヒーで推進している「人的資本経営」について教えてください。

 「人的資本経営」とは、企業が従業員を「資本」として捉え、そのスキルや知識を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値の向上を目指す経営のあり方です。キーコーヒーではその考えに基づき、コーヒーのリーディングカンパニーにふさわしい人財の育成を目指し2023年に「人財開発課」という部署を新設。人的資本経営を推進しています。

 

――社員のスキルや知識の向上のために、企業によっては研修制度を拡充するなどしています。キーコーヒーならではの特徴的な取り組みはありますか?

 研修は、新入社員を対象にしたビジネスマナー、年次・階層に合わせたビジネススキル・思考法などのほか、コーヒーの総合企業ならではの内容で実施しています。

コーヒーを主軸に事業を展開するキーコーヒーにとっては、「コーヒーのプロ」であることが人的資本としての重要な要素です。コーヒーに直接携わる製造や開発・マーケティングといった部門はもちろん、営業部門にとってもお客様への提案時などにコーヒーの知識は欠かせません。一見するとコーヒーとは直接関係がなさそうなバックオフィス部門であっても、コーヒーに関する知識は必要です。例えば、リクルーターとして学生と接する部門であれば、学生から寄せられるコーヒーの質問に答えなくてはいけません。また、財務や人事などの部門でも会社の動きや事業構造を理解するためにはコーヒー産業について把握することが求められます。

私たちの業務の全てにはコーヒーが関わっていると言っても過言ではありません。いわば、コーヒーはキーコーヒーの社員にとって共通言語のようなもの。社員一人ひとりが『コーヒーのプロフェッショナル』であることが、会社の成長につながるのです。
 


キーコーヒーの考える人的資本経営

研修を通じキーコーヒーの品質へのこだわりを学ぶ

――『コーヒーのプロフェッショナル』を目指すのは、コーヒーの総合企業ならではですね。

そのため、人財開発課では『コーヒーのプロフェッショナル』を育成するためのさまざまな取り組みを実施しています。なかでもその軸となるのは、『キーコーヒー スペシャリスト制度』です。これは、コーヒーの基礎知識から生産国ごとのコーヒーの特徴や当社の歴史や取り組み、コーヒー業界のトレンドなどを網羅的に学べる当社独自の資格制度となっています。『スペシャリスト制度』の初級試験である『ベーシック試験』は、入社後に原則全員が取得します。試験内容にはハンドドリップの実技もあるため、当社の社員は全員ハンドドリップでコーヒーをいれることができます。

また、キーコーヒーのフラッグシップブランド『トアルコ トラジャ』の産地であるインドネシア・スラウェシ島 トラジャ地方での研修『トラジャ研修』も当社ならではです。『トラジャ研修』では直営の『パダマラン農園』での研修を中心に、協力生産農家らがコーヒーを持ち込む集買所の訪問、現地の喫茶文化といった市場視察なども実施。生産国に直営農園を持つキーコーヒーだからこその取り組みで、コーヒーの産地でコーヒーがどのように栽培されているかを肌で感じ、当社の品質へのあくなきこだわりをお客様をはじめ周囲に伝達することを目指しています。
 

 
トラジャ研修の様子
 



――コーヒーの抽出や味わいについてなど、実践的なスキルはどのように磨いているのでしょう。

 本社では毎朝、2種類のコーヒーの試飲を行いコーヒーの味わいについて勉強をしています。各支社や営業所でもハンドドリップの練習を兼ねて当番制でコーヒーをいれるなど実践的な学びを継続しています。

毎朝のそういった時間はコーヒーについて学ぶ場であるだけではなく、コーヒーを片手に社員同士が談笑したり情報交換をする場所でもあります。何気ない雑談から業務のヒントが生まれることもあり、コーヒーの魅力のひとつである、人と人のコミュニケーションを円滑にする働きを社員が身をもって感じています。


コーヒーを飲みながらの談笑は貴重な情報交換の機会にもなっている

社員の最大公約数は「コーヒーが好き」というところ

――コーヒーに関する研修や制度に関して、社員の方々からはどんな声が寄せられていますか。

 「コーヒーの知識を得たことで、業務がより楽しくなった」という声が多くあります。顧客への提案に自信や説得力が出るのはもちろん、会社が扱う商材の魅力を再確認したり、コーヒーの奥深さを知ることができます。

当社にはさまざまなバックグラウンドを持つ社員が在籍していますが、社員の最大公約数的な特徴は「コーヒーが好き」ということかもしれません。それは「コーヒーを飲むのが好き」「いれるのが好き」「喫茶店やカフェの雰囲気が好き」というものから、人によってはコーヒーの農作物的な奥深さやビジネスとしての可能性を感じている人もいるでしょう。私自身も、入社してからコーヒーのことを学ぶにつれ、コーヒーの面白さにはまっていき、それに伴う形で事業や業務への解像度もより明確になっていった気がします。

いろいろな形の「コーヒーへの情熱」を持った社員が集まることは当社の強みのひとつです。キーコーヒーが将来にわたってコーヒーのリーディングカンパニーであり続けていくために、集う人財がイキイキと働けるよう、さまざまな取り組みを展開していきたいと思います。