コーヒーという情熱

コーヒーの未来を考える

2025.07.08

インタビュー

コーヒー・喫茶の楽しみ方

キーコーヒー コーヒー教室の室長に聞く
夏の楽しみ『アイスコーヒー』はこれからどう進化する?

昨今の猛暑の影響もあり、年々人気が高まっているアイスコーヒー。その歴史や今注目のアイスコーヒーの楽しみ方について、コーヒー教室の室長にお聞きしました。

アレンジコーヒー誕生の背景に思いを馳せる

コーヒー教室 室長 前田 智紗


――「アイスコーヒーは日本発祥の飲み物」という説がありますね。

 明治時代の文献に、東京・神田の氷屋さんで「氷コーヒー」という商品を売っていたという記載があります。どんな飲み方だったのか詳細は伝わっていませんが、瓶に入れたコーヒーを氷水に入れて冷やして飲んでいたのではと言われています。その後、大正時代の喫茶店には「冷やしコーヒー」というメニューが見られるようになるのですが、そのころには「コーヒーを冷やして飲む」という飲み方が広まったのでしょうね。

 海外でもコーヒーを冷やす飲み方は昔からあったと言われていますが、あまり定着しなかったようです。日本でアイスコーヒーが広まったのは、高温多湿の気候が関係しているのかもしれません。

 最近注目されているコールドブリューも、日本ならではの飲み方。すっきりとした飲み口が日本の夏にぴったりですよね。SNSなどでは「#japaneseicedcoffee」というハッシュタグがあるのですが、世界の人々にとっても「アイスコーヒーは日本のもの」という意識があるようです。


 


―アイスコーヒーを始め、コーヒーにはいろいろな楽しみ方がありますよね。

 コーヒーは日常的に飲む、身近なものです。その分、飲まれる場所の風土に合わせてさまざまにアレンジが広まっていきます。例えば、ウインナーコーヒーはその名の通りオーストリアのウィーンが発祥とされています。オーストリアではコーヒーに生クリームを乗せる飲み方を「アインシュペナー」と呼んでいるのですが、「アインシュペナー」とは「馬車」のこと。寒冷な国であるオーストリアで、馬車の御者がお客さんを待つ間に寒さでコーヒーが冷めないように、生クリームで蓋をしたことが始まりだと言われています。

 他にも、練乳をたっぷり入れて飲むベトナムコーヒーや鍋でコーヒーを煮出すトルココーヒーなど、世界にはさまざまなコーヒーの飲み方があります。その飲み方が生まれた背景に思いを馳せるのも、アレンジコーヒーの楽しみのひとつです。


 

生活者の皆さんとコーヒーの楽しみ方を探っていきたい

――最近注目しているコーヒーの飲み方はありますか?

 昨今の猛暑も相まって、コールドブリューはさらに注目されるのではと考えています。また、アイスコーヒーやコールドブリューのコーヒーにアレンジを加えた飲み方も外せません。アイスコーヒーにフレーバーシロップを加えた『フレーバーアイスコーヒー』や、フルーツを漬け込んだ『フルーツコールドブリュー』などはアレンジやトッピングがいろいろ楽しめる飲み方です。写真映えもするので、若年層を中心に喜ばれるのではないでしょうか。

 コーヒーはこれまでも、時代に合わせてさまざまな飲み方をされてきました。これからも、コーヒーがどのように進化していくのか、私自身も楽しみです。キーコーヒーのコーヒー教室でも、コーヒーのトレンドや新しい飲み方を積極的に発信し、生活者の皆さんと一緒にコーヒーの楽しみ方を探っていきたいと思います。


 

フレーバーシロップを加えたアイスコーヒー「フレーバーアイスコーヒー」

画像のダウンロード

■合わせて読みたい記事

・コールドブリューについて詳しくはこちら

コールドブリューコーヒーとは?水出しコーヒーとの違いや作り方を解説

・フレーバーアイスコーヒーについて詳しくはこちら

アイスコーヒーの新しい楽しみ方「フレーバーアイスコーヒー」でおしゃれな夏を♪

・ベトナムコーヒーについて詳しくはこちら

ベトナムコーヒーはどんな味?特徴やいれ方を解説

・トルココーヒーについて詳しくはこちら

トルココーヒーとは?飲み方や歴史、魅力を解説