2026.02.02
コーヒー・喫茶の楽しみ方
日本は世界有数のコーヒー消費国でありながら、エスプレッソを嗜む文化はまだ十分に浸透しているとは言えません。今回は、エスプレッソの魅力について、イリー事業部の担当マネージャーへインタビューしました。
イリー事業部 カヴァリエーリ ステファノ シニアブランドマネージャー
――日本で「エスプレッソ」というと、エスプレッソそのものよりカフェラテやカプチーノのベースにすることが多い印象です
日本ではエスプレッソを使ったアレンジコーヒーがよく飲まれていますよね。エスプレッソとミルクを使ったカフェラテやカプチーノ、フレーバーシロップを加えたものなど、楽しみ方も多様化しており多くの人に親しまれているのではないでしょうか。しかし、これらはあくまでエスプレッソをベースにしたアレンジです。私の母国であるエスプレッソの本場・イタリアで日常的に飲まれているような、エスプレッソそのものを嗜む文化はまだ日本には根付いていない印象があります。
――日本とイタリアでは「エスプレッソ」にどのような違いがあるのでしょうか
日本では、「エスプレッソは味が濃くて苦いコーヒー」という印象が強いかもしれませんが、イタリアではエスプレッソにはシュガーを入れてまろやかにして飲むことが一般的です。そして、飲んでいる時間はもちろん、飲み終わった後の“アフターテイスト”を堪能することを大切にしています。正しく抽出された“パーフェクトエスプレッソ”は、約30分もの間口の中に芳醇な余韻を残すと言われています。この“アフターテイスト”の魅力というのは、日本ではまだ十分に認識されていないのではないでしょうか。
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エスプレッソの魅力は、アフターテイストの長さ。正しく抽出されたエスプレッソは約30分もの間、口の中に芳醇な余韻が残る
――「エスプレッソ」のこだわりや楽しみ方がひとつの“文化”になっていますよね
そうですね。エスプレッソはイタリアのライフスタイルそのものと言えるかもしれません。朝食では、エスプレッソにミルクを使用したカフェラテやカプチーノを飲むのが習慣になっています。これは単に“コーヒーを飲む”ということより、“朝食の一部”として必要不可欠なものなんです。それ以外にも、午前中やランチの後、午後にも1杯。朝食を含めると1日に4杯くらいエスプレッソを飲みますね。
味そのものへのこだわりも強いです。おいしくないエスプレッソを飲んだ時は、飲み終わった後すぐに水を飲みます。あえてアフターテイストの余韻を無くすことで、「おいしくなかった」ということをアピールするためです。そのため、イタリアのバールやレストランでは、必ずと言って良いほど「バリスタ」と呼ばれるコーヒーのプロがエスプレッソを抽出しています。
また、ほとんどのイタリアの高校にはエスプレッソが飲めるマシンが置いてあるんです。シュガーも必ずついてきます。高校生の頃から日常的にエスプレッソに触れる環境で育つことも、イタリアにエスプレッソが文化として深く根付いている理由だと思います。
イタリアに根付くエスプレッソの文化
「エスプレッソ」が喫茶文化をより多様に
――「エスプレッソ」の魅力をどのように伝えていますか
当社からエスプレッソ用のコーヒー豆を提供しているお取引先や、ときには本社にお客様をお招きして、エスプレッソに関するセミナーを開催しています。また、社外の方々にとどまらず、キーコーヒーの社員に対しても勉強会を開催しており、エスプレッソの「飲み方」や「楽しみ方」を伝えています。例えば、味わいの濃厚さやクレマ(泡)の質、アフターテイストの楽しみ方など、正しい知識や抽出技術を知ることで、はじめてエスプレッソ本来の魅力や奥深さを知ることができると思います。
全国にある当社の営業拠点で定期的に勉強会を開催。エスプレッソについての正しい知識や技術をレクチャーしている
――日本にも「エスプレッソ」を楽しむ文化が広がると思いますか
コーヒーの楽しみ方が多様化している日本だからこそ、エスプレッソにも大きな伸びしろがあると思います。日本にエスプレッソを嗜む文化が根付けば、日本の喫茶文化はもっと多様に、もっと楽しくなるのではないでしょうか。日本の喫茶文化とイタリアのエスプレッソ文化が融合し、よりゆたかなコーヒーの未来をつくるために、エスプレッソの魅力をこれからも発信し続けていきたいです。







