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個人経営や田舎カフェの平均的な1日の売上とアップさせる方法

運営ノウハウ編集部オススメまとめ

憧れのカフェを開業しても、継続して売上をキープできないと経営を長く続けることはできません。個人経営の小さなカフェ、田舎や郊外にあるカフェなどでは、1日あたりどの程度売上があればよいのでしょうか。

ここでは、個人経営や交通量の少ない立地にあるカフェ、小規模のカフェを例に取り、平均的な売上や売上を決める目安などについて解説しています。売上をアップさせるための方法についても紹介していますので、カフェ開業後の売上に悩む経営者の方は参考にしてください。

カフェの売上を決める目安

カフェの売上を決める目安や平均的な売上の目安について解説します。

客数と客単価が重要となる

カフェの売上を決める際、客数と客単価が重要となります。「お客様が何名来たか」「1人あたりいくらの売上になったか」と言い換えることができるでしょう。

売上の目安を決める場合には、客数と客単価をかけることで求められます。

客数×客単価=売上見込みという計算です。

1日あたりの客数が15人で、客単価が1,000円とした場合、1日の売上見込みは15,000円となり、1か月あたりの総売上見込みは450,000円ほどとなるでしょう。

では、この売上が多いのか少ないのかを知るには、どうすればよいのでしょうか。

利益率を元に目標を設定する

売上の見込み額が妥当かどうかを知るためには、利益率を考える必要があります。利益率とは、売上から家賃や仕入れ、水光熱費などの費用を差し引いた利益がどの程度残っているかを表す数字です。

先の1か月450,000円の見込み売上に対して、すべての経費が300,000円かかった場合、その月のお店の利益は150,000円となります。しかし、経費が500,000円かかっている場合には、その月の利益はマイナス50,000円の赤字ということになるのです。

一般的に、飲食店での利益率は10%が目標といわれています。500,000円の売上があったとしても、ほとんど利益が残らないケースの方が多いのです。

月々の家賃に加え、開業時に融資を受けた場合は、その支払いも必要となります。メニューの価格設定や1日に来店してほしい客数と客単価の目標は、利益率10%で黒字になることをまずは目指しましょう。

大まかな目安は月100万円

カフェの規模や固定費、仕入れや価格設定によってもことなりますが、個人で経営するカフェの場合、月100万円が大まかな売上の目安といわれています。

利益率10%とした場合、100万円の売上で残る利益は10万円ほどとなるでしょう。

具体例を挙げて、100万円の売上から残る利益を算出してみます。

家賃:200,000円

水光熱・通信費:100,000円

広告宣伝費(チラシ、ポスター、サイト掲載料など):50,000円

消耗品費(ナプキン、洗剤、テイクアウト用カップなど):50,000円

仕入れ:350,000円

人件費:100,000円

借入金支払い:30,000円

経費計:880,000円

100万円-880,000円=120,000円

経費は上記以外にも、クレジット決済した際の手数料や保険料、リース料などがあれば別途かかってきます。お店のインテリア雑貨や食器などを買った場合には、それも経費として計上されるでしょう。

開業時に運転資金の余裕があれば、しばらくは大きな赤字を出さないようにすることで経営を続けていくことができます。しかし、経営者個人の生活費も捻出する必要がある場合、もう少し売上と利益をアップさせる対策が必要となるでしょう。

小さなカフェの売上アップで試したいコツ8つ

個人経営や郊外にあるカフェで売上をアップさせるためのコツを8つピックアップしてご紹介します。

メニューの見直し

現在のメニューであまり売れていないものや、飽きられているものがないかといった見直しは定期的に行います。

同じ素材を使っていても、盛り付けやカットの工夫次第で見た目やおいしさをアップさせることができるかもしれません。

サイドメニューを充実させたり、ランチ後のスイーツメニューを増やす、サイズを選べるようにするといった見直しも効果が期待できます。

お店の顔となるような人気メニューがあれば、それだけでも集客力と売上がアップするきっかけとなるでしょう。

価格設定の変更

メニューの見直しと併せて、適正な価格設定になっているかの見直しも行います。原材料の値上がりが反映されているか、そもそもの価格設定が低くなっていないかといったチェックも大切です。

フードやドリンクの原価は売値の3割以下に抑えるよう設定し、原価率の低いメニューをしっかりと売れるようにしましょう。

仕入れ先の変更

それまで購入していた食材やコーヒー豆について、同じ商品が安く仕入れられるところがないかもこまめに確認するようにします。

商品の価格は同じでも送料が安い、ポイントの還元率が高いといったメリットがないかも注目して探すようにしましょう。

逆に、品質の低い食材を仕入れているために、売上に影響しているケースも考えられます。仕入れのクオリティを保つために価格を上げても、販売する際の価格に反映していれば赤字になることはありません。

求めたいクオリティと価格にはできるだけ妥協せず、仕入れ先の見直しや変更を行っていきましょう。

経費の見直し

無駄な経費がかかり過ぎていないかも、チェックするべき対象の1つです。比較的見直しやすい経費には、以下のようなものが挙げられます。

通信費:インターネット回線を新規に乗り換えるだけで、キャッシュバックや無料期間などの特典がついてくる場合があります。何となく利用している場合は、通信費のキャンペーンなどをチェックしてみるとよいでしょう。

水光熱費:電気とガスを1本化したり、安いプランの電力会社へ乗り換えたりする方法も検討するとよいでしょう。

自身の給与:売上が充分上がっていないのに、自身の給与を高く設定していると、人件費が高くなる原因となってしまいます。

利益率への影響を少なくしたいなら、自身の給与を見直すことも検討しましょう。

スタッフの人数:同時に入るスタッフの人数を見直したり、平日の来店数が少ない日のシフトを調整したりすることも検討してみましょう。

逆に混雑時には、スタッフの数を増やした方が結果的に注文数や回転率を上げられる場合があります。忙しい日とそうでない日のスタッフの配置について無駄やロスがないか、再度確認してみましょう。

内装・外装のリニューアル

内装や外装のリニューアルも、集客と売上を伸ばすのに役立ちます。特に難しいことはしなくても、店内の座席数を増やすだけで客数が増えるケースもあるのです。

座席を増やすのが難しい場合は、テイクアウトできるメニューを増やすと、テーブルに座らない客数を増やすことができます。

もちろん、内装や外装のイメージを少し変えるのもおすすめです。大きなぬいぐるみや天井にまで届くような観葉植物など、カフェの目玉となるようなスポットを作ってみましょう。

インテリアだけでなく、テーブルに座ってからお手洗いやレジへ行くまでの動線が確保されているか、外から店内のようすが見えやすくなっているか、入ってみたいと思わせるような外装になっているかなども要チェックです。

また、雑貨やアクセサリー、アパレルなどの販売エリアを作る方法もあります。カフェのコンセプトがわかりにくい場合はしっかりと細部まで設定し、内装や外装にも活かせるようにしましょう。

営業時間、営業日数を増やす

営業時間を延長したり、夕方のお休み時間をなくしたりするなど、営業している時間を長く取ることも、売上アップに繋がります。不定期営業にしていたのをコンスタントに営業してみる、週休3日を2日に減らすなど、営業日数を増やすのもよいでしょう。

日中のカフェ営業に加え、夜にバーとして営業する方法もあります。ただし、深夜0時を越えてアルコールを提供する場合は、深夜酒類提供の届出が別途必要となるため注意しましょう。

オフィス街や学校周辺にカフェがある場合は、ランチの時間帯にお弁当を販売するのもおすすめです。

SNSの投稿数を増やす

個人経営の小さなカフェや郊外にカフェを構える場合、最寄り駅からも離れていると、人の往来も少ない場所で、宣伝なしに集客を見込むのはかなり難しいでしょう。

カフェを見つけてもらう手段として、コストをかけずに宣伝ができるSNSは必ず利用したいところです。ただ投稿するだけでなく、掲載する画像や文章なども、カフェの雰囲気が伝わるような内容になるよう工夫することが大切です。

イベントや催事の出店募集などがあれば申し込んでみて、出張営業するのもおすすめです。イベントの運営元によっては店舗の宣伝を行ってくれる場合もあり、多くの人へお店を知ってもらうきっかけにすることも可能です。

GoogleビジネスプロフィールなどWEBツールの活用

SNSと並行して、近年ではGoogleビジネスプロフィールなどWEB上のビジネスツールの活用も、高い広告効果が期待できるものとして認知されつつあります。

Googleビジネスプロフィールとは、Google上に店舗のビジネスアカウントを作成し、不特定多数のユーザーの検索結果へ反映させられるサービスの1つです。

店舗の所在地や連絡先などをGoogleマップと連携できるほか、コンセプトや営業時間、画像なども掲載が可能です。

Googleビジネスプロフィールに限らず、ECサイトや店舗ブログなどを上手に活用することで、カフェ経営をより効率的、効果的に進めることができるでしょう。

人通りが少ない場所のカフェでも売上アップは充分期待できる

個人経営や郊外のカフェでも、平均的な売上は月100万円、1日あたりでは30,000円以上の売上はクリアしたいところです。売上が増えても、家賃や水光熱、仕入れなどの経費が多くかかっていれば、売上100万円でも赤字となってしまう可能性もあるため注意が必要です。利益率も考慮して月ごと、1日ごとの売上目標を立てるほか、メニューや価格の見直し、経費や仕入れの削減など、売上アップや利益を出す対策をしっかり取りましょう。魅力のあるお店なら、しっかり経営すれば必ず結果はついてきます。人の往来が少ないカフェであっても、売上アップは充分期待できるでしょう。

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