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カフェ店内で流すBGMのおすすめは?選ぶ際のポイントや注意点を紹介

運営ノウハウ

カフェの営業中に店内で流すBGMは、どのような曲がよいのでしょうか。自分は好きだと思っても万人受けするのか、お客様に居心地よいと思ってもらえるのかわからないという方も多いでしょう。どんなBGMを流せばよいのか、使用時の注意点なども気になるところです。

この記事では、カフェにとってBGMが大切である理由やBGMのかけ方、BGMを使用する際の注意点などについて解説しています。カフェのBGMにおすすめのジャンルについても紹介していますので、音楽選びで迷った際の参考としてお役立てください。

カフェにBGMが大切な理由

カフェにおいてBGMが大切とされる主な理由には、以下のような点が挙げられます。

カフェの雰囲気を左右する

カフェで流すBGMは、店内の雰囲気づくり大きく影響します。「明るくリラックスした雰囲気」「大人っぽい落ち着いた雰囲気」といったコンセプトを強めたり、雰囲気を盛り上げたりするのに役立ちます。

また、BGMはカフェ内のインテリアやメニューと並び、店主のこだわりが活かせるポイントでもあるのです。

居心地の良さに影響する

まったく無音の空間よりも、適度な音量で音楽が流れていた方が居心地もよく、リラックスした時間を過ごすことができます。大きな音や騒音、雑音が響くような環境はNGですが、心地よく感じる音楽を流すことでカフェに対する印象も良くなり「また来たい」と思うきっかけになることもあるでしょう。

また、少し音楽が流れていることで、他のテーブルから聞こえる会話や食事の音などを緩和するはたらきもあります。

カフェでBGMを流す方法

カフェでBGMを流すにはどのような方法があるのでしょうか。一般的なBGMのかけ方には、以下のような方法があります。

CD、レコードをかける

店内にスピーカーを設置してCDやレコードプレイヤーを接続し、再生する方法です。自分の好きなアーティストや曲に絞って流したり、おしゃれなプレイヤーを選ぶことでインテリアの一部にしたりすることもできます。

特にレコードはプレイヤーで再生しているようすが見えるだけで、雰囲気のある店内を演出することが可能です。レコードジャケットを並べたり、ジャケットを見たお客様のリクエストに応じたりと、店主とのコミュニケーションのきっかけにもしやすいでしょう。

一方で、音飛びやノイズなどが起こりやすい点、CDやレコードを変える際に無音となってしまう点、繁忙期など音源の変更が難しい場合に、同じ曲が繰り返されてしまうといったデメリットもあります。

有線を使用する

店舗や施設のBGMにおける有線とは、電話線やケーブルなどを用いて音楽配信を行う有線放送サービスのことをさすのが一般的です。有線放送を提供している業者へ加入し、使用料を払うことで、様々なジャンルやチャンネルを選択してBGMを流すことができます。

有線を使用するもっとも大きなメリットとしては、1曲ごとに著作権に関する手続きをしなくてもよい点が挙げられます。

ジャンルやチャンネルも豊富なため、イベント時期や時間帯などによって手軽に流す曲の雰囲気を変えられる点も魅力です。

デメリットとしては使用料がかかる点と、自分の好きな曲だけをかけることが難しい点などが挙げられるでしょう。

配信サービス、アプリを使用する

近年では、インターネットの音楽配信サービスやアプリを利用する方法でBGMを流すカフェも増えてきています。パソコンやプレイヤーがなくても、スマートフォンやタブレットをスピーカーに繋ぐだけでBGMを流すことができるため、音響設備のコストを抑えることが可能です。

CDやレコードの在庫を持たず、有線放送への加入や端末接続といった手間がかからない点がメリットとなりますが、個人で楽しむ場合のみ可能な商用利用不可のサービスも多いため、店舗でBGMとして使用する際には注意しなければなりません。また、インターネットやWi-Fi環境の整備も必要となります。

BGMを使用する際の注意点

カフェのBGMを決める際の注意点について解説します。

コンセプトにマッチしたものを選ぶ

「自分の好きなジャンルのBGMを流したい」と思っても、カフェのコンセプトにマッチしていない曲ばかりを流した場合、お客様が居心地の良さを感じにくくなってしまいます。お店の内装や店主の思い、メニューへのこだわりなどと違和感のない、バランスの取れた雰囲気のBGMを選ぶことは、お店の売上や集客にも影響があると考えた方がよいでしょう。内装よりもBGMを変更する方が気軽に試せるため、既存のお客様へBGMのアンケートを取って反映させるのも1つの方法です。

季節や時間帯によって変化をつける

1年を通じてカフェを営業していく中で、季節に応じたイベントによってBGMにも変化をつけるようにしましょう。例えば、クリスマスシーズンにはクリスマスソングを、夏にはハワイアンやレゲエなど、BGMのジャンルを絞って流してみるのもカフェの雰囲気づくりに役立ちます。早朝や夜間、閉店時など、営業する時間帯によって少しBGMを変えてみるのもよいでしょう。

似た曲調のBGMを流してもよいですが「いつも同じ曲だな」と思わせないようにした方がよいでしょう。

著作権使用に関する手続きを確認する

自宅で音楽を楽しむのとは異なり、カフェでBGMを流すことは商用利用にあたるため、著作権に関する手続きが別途必要となる場合があります。著作権使用に関する手続きは、JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)へ申し込みます。JASRACのホームページから申込フォームを使用して申請し、お店の広さに応じて使用料を支払うのが一般的です。

店内でBGMとしてCDやレコードをかける場合、JASRACへ申請後、承諾が得られればBGMとして使用することができます。

JASRACへ支払う使用料は500m2以下の店舗の場合年6,000円、月額払いの場合は月1,200円となっています。(2023年12月時点)

なお、有線放送を利用する場合、著作権料の支払いや手続きなどは有線放送会社がJASRACと契約しているため、個別の手続きは必要ありません。

著作権フリーの音源を使用する場合も、手続きなしでBGMとして使用することができます。

カフェのBGMにおすすめのジャンル

「うるさいと感じない程度の音楽」「居心地の良い音楽」といっても感覚的で、どのようなBGMがよいのかわかりにくい場合も多いでしょう。カフェのBGMにおすすめのジャンルをいくつかピックアップしてご紹介します。

ジャズ

ジャズは、4ビートのリズムをベースにピアノや管楽器、ギター、ドラムなどで構成されているのが一般的です。ひとくちにジャズといっても曲調や雰囲気の幅は広く、アップテンポなものから落ち着いたジャズナンバー、インストゥルメンタルやジャズボーカルなど、選ぶのに迷ってしまうほど豊富な楽曲があります。カフェはもちろん、喫茶店やレストラン、バー営業まで、幅広い業種の飲食店にフィットする曲が見つかりやすい点もジャズの魅力です。

「日曜のジャズ」「雨の日のジャズ」など、時間帯や天候に合わせた雰囲気の楽曲を集めたアルバムやチャンネルもあるため、試聴してみて気に入ったものをBGMに採用するとよいでしょう。

ボサノバ

ボサノバは、ブラジル生まれの8ビートを基調にした音楽ジャンルです。サンバのような激しさはなく、ゆったりとリラックスできる曲が多い点が特徴です。ジャズと並び、カフェや飲食店のBGMとして多く選ばれています。

選ぶ曲によってもことなりますが、ジャズよりも親しみやすい雰囲気や柔らかい雰囲気を演出したい場合におすすめです。

ハワイアン

ハワイアンミュージックは、文字通りハワイ生まれのポピュラーソングの総称です。伝統的なハワイの民族音楽をさす場合もありますが、ロックやポップス、R&Bといった他のジャンルと融合しているものも多く、全体的にスローテンポの曲が多いという特徴があります。

ボーカルをメインにしたものと、ウクレレなど楽器をメインにしたものがあり、夏の休日のBGMやハワイアンフードを扱う際のBGMにぴったりです。

R&B、レゲエ

R&Bとレゲエは厳密には異なるジャンルのもので、R&Bはアメリカで生まれた音楽ジャンルで、レゲエはジャマイカで生まれた裏打ちのビートが独特な音楽ジャンルの1つとなります。どちらもダンスミュージックのようなアップテンポの曲がある一方で、スローやミディアムな曲もあり、後者の方はカフェのBGMに適しています。レゲエはハワイアンと同様に夏らしさを出すのにぴったりで、R&Bは夕方以降やバータイムに大人っぽい雰囲気を演出したい際におすすめです。

環境音楽、ヒーリングミュージック

小鳥の声や木々のざわめき、滝の音や波が寄せる音など、厳密には音楽とはいえない自然の音、環境音楽などもカフェのBGMに向いています。スチールパンやマリンバ、民族楽器などを使用したヒーリングミュージックもリラックス効果が期待できるでしょう。

このほか、ポピュラー音楽をオルゴールにアレンジしたものやシティポップなど、BGMに適した音楽ジャンルはたくさんあります。さまざまなジャンルの曲を流してみて、しっくりくるものを見つけてみるのもいいですね。

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良いBGMを選んでカフェの雰囲気をアップしよう

カフェのBGMは、カフェの雰囲気を左右する重要なツールの1つです。お客様をリラックスさせたり、会話や食事の音を緩和したりするはたらきもあり、店内を居心地良くするのに役立ちます。BGMを流す方法にはCDをかけるほか、ネットの配信サービスや有線を利用するといった方法があります。CDやオンラインの配信サービスを利用する際は、著作権の手続きが必要な場合もあるため注意が必要です。BGMにおすすめのジャンルから好みのものを選んで、カフェの雰囲気をアップさせましょう。

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