KEYTIMES

SPECIAL AMBASSADOR
Kaori Watanabe 渡邉 香織(foxco) | イラストレーター
2023.10.02

おばあさんになるまでに何を描きたいか
それを見つめて形にする

foxco(フォクスコ)の名前でイラストレーターとして、ファッション誌のイラストやブランドとのコラボレーションなど幅広く活躍されている渡邉香織さん。その独自の世界はどんなふうに生み出されているのか、創作とコーヒータイムの関係など、オンとオフの素顔を3回シリーズでお届けします。
第1回は、イラストレーターとしての現在の活動について語っていただきました。

「何者なの?」と聞かれて考えた

最近、イラストレーターとして仕事をしながらロンドンで大学院に通いはじめました。ロンドンにも拠点をおいて、東京との2拠点生活をしています。
生活が新しくなったことで描きたいものがいろいろと増えて、個展やポップアップを開催したり自分でグッズをつくったり、イラストを載せたグリーティングカードを展示販売したりなど、依頼されたお仕事以外の自主製作活動もしていて、それがすごく楽しいですね。

ロンドンに来てから、「あなたは何者なの?」「何をしている人なの?」と聞かれることが増えました。それで、自分は何がやりたいのか、ということをあらためて考えるようになったんです。依頼されて描くものとは別に、おばあさんになっても描き続けたいものは何なのかを考えるようになりました。だから今は、それを見つめて自主製作として形にすることに力を入れています。


人間っぽいアザラシを見て「描きたい!」

先日アイスランドに旅行したのですが、そこに大きなアザラシがいたんです。そのアザラシが氷の上でごろんと仰向けになったりするのですが、そういうポーズがなんだか妙に人間っぽくて。すごくイラストに描きたくなりました。

そんなふうに、私が何か描きたいなと思うのは、旅先など目新しいところに行ったときが多いです。街中では、可愛い洋服を着た人を見かけたときとか。
その描きたくなったものを、一回自分の頭の中でファンタジーっぽくしたり、ちょっとクスッと笑えるような要素を付け加えてみたりして、どんなイラストにするか考えます。

自分の「違和感」を大切にする

仕事をする上でこだわっているのは、ちょっとでも「違和感」を感じたら、素直に立ち止まって、その違和感をなくす努力をすること。例えば、お仕事でやり取りする中でクライアントから「この子の服は赤にしてください」という指示があったとします。でも、背景や全体のバランスを考えると、赤にするとそこだけ変に目立ってしまうようで気になる。そういうときに私は、自分の感じた違和感を大切にして、一度立ち止まります。それで、「どうして赤がいいんですか?」と理由を聞いて、「その理由だったら緑が映えるのでは」と提案するなど、違和感を消せる方法を考えるようにしています。


そこにはいつもコーヒーがある

イラストを描くとき、特に集中して線を引いているときには、息を止めてしまいます。
そんなときには、一旦手を止めて深呼吸をするためにコーヒーを飲むようにしています。私は、午前中が仕事に集中できる時間帯なので、午後の2時から3時くらいにコーヒーをいれるんです。味だけでなく、香りや温かさなどコーヒーの全部が、一回自分をリセットしてくれる気がします。

逆に、コーヒータイムが、インスピレーションを連れてきてくれることもあります。友達と何気ない話をしているときに、仕事のアイデアが浮かぶことって結構あるのですが、その場面を思い返してみると、そこにはいつもコーヒーがあるな、と思います。


次回予告

第2回は、イラストレーターとしてのルーツを探ります。
ご期待ください!

渡邉 香織(foxco)
@foxco_kaori

foxco(フォクスコ)の名前でイラストレーターとして活動。
高校時代をカナダ、大学1年間をパリ第一大学(ソルボンヌ)芸術学部で過ごす。
パリ留学中にイラストを描き始め2017年冬から本格的にイラストレーターの仕事をスタート。
現在はロンドンを拠点に、ファッション誌へのイラストやブランドとのコラボレーションなどジャンルを問わず幅広く活動中。
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