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飲食店やカフェの原価率と回転率を知ろう!目安や利益の出し方も解説

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飲食店やカフェの経営を考える際「原価率」や「回転率」といった言葉を目にすることがあります。それぞれどのような意味があるのか、自身でカフェを開業した場合、原価率や回転率はどのように計算すればよいのでしょうか。

ここでは、飲食店やカフェの経営で考える原価率や回転率の目安に加え、利益を出すための考え方などについて解説しています。それぞれの言葉の捉え方や原価率を抑えるポイント、回転率を上げる方法などについてもわかる内容となっています。

原価率や回転率ってそもそもどんなもの?

そもそも「原価率」や「回転率」とは、どのようなものなのでしょうか。以下で確認してみましょう。

原価率とは

原価率とは、販売するものの価格に含まれる材料費や、仕入れにかかった価格の割合のことです。たとえば、1個120円で仕入れたトマトを店内で400円で提供した場合、メニューとしてのトマトの原価率は30%ということができます。

もしトマトに塩やオイル、ドレッシングをかけたり、他の野菜やチーズなどを添えたりして提供する場合には、その分の材料費も加えて原価率を出すのが一般的です。

回転率とは

回転率とは、その店舗にあるテーブルや席がどのくらい使われたかの割合をさします。例えば、20席ある飲食店があったとして、ある1日の来店者数が40人だった場合、その日は2回転したということができます。

実際には、ある席では3回転や4回転していて、別のある席は無人状態となっていたり、4人席に2人で座っていたりするケースもあるため、1日の終わりのトータルで回転率を考えることとなるでしょう。

飲食店における原価率、回転率の考え方

飲食店の経営において原価率や回転率を決める際の目安や考え方について解説します。

飲食店の原価率は30%が目安って本当?

飲食店の原価率を考える基準として「原価率30%」と言われる場合があります。原価率が30%を超えないように価格設定する、という意味です。

原価率は低く抑えれば抑えるほど売上における利益率が高まります。しかし、低く抑え過ぎてしまうと来店者がメニューを割高だと感じてしまう原因になりかねません。

原価率の目安が30%といわれる理由には、人件費や水光熱費、家賃といった仕入れ以外にかかる経費の存在があるからです。売上の中からこうした経費を支払い、仕入れにかかった原価も引いて利益を残したい場合に、販売価格の30%を超えない原価を設定した方が利益を出しやすいためです。

また、同じ飲食店でもラーメン店やレストラン、カフェなど、飲食形態によって原価率の設定は微妙に異なるのが一般的です。

原価率が飲食店によって異なる理由を考える際、原価率と併せて回転率も考慮する必要があるでしょう。

飲食店の回転率はどう考える?

例えば、ラーメン店の場合は注文して食べ終わるまでの時間が短く、食べ終わった後はすぐに店を出る、というスタイルでの営業が一般的です。ファストフード店についても、テイクアウト率が高くフード提供までの時間が短い点などから、他の飲食店よりも回転率は高めです。

一方で、レストランやカフェの場合、メニューの提供までラーメンやファストフードよりも時間がかかることが多く、食後もコーヒーやデザートを注文するなどして、ゆっくりと過ごすスタイルのお店が多いでしょう。

ラーメン店やファストフード店は顧客の回転率が高いため、多少原価率が高く、利益率が低かったとしても、回転数を上げて多くのメニューを販売することで採算を取っている場合があります。

また、居酒屋の場合、飲食メニューの原価率が悪くても、アルコールなどのドリンクメニューの原価を抑えることでバランスが取れる場合もあります。

こうした回転率も考慮して、原価率30%を目安としてどのように調整するか、と考えることとなるでしょう。

カフェの原価率と回転率の考え方

飲食店の中でも、特にカフェという営業形態における原価率と回転率について考えてみましょう。

カフェの間取りやコンセプトによっても異なる

カフェの中でも、豊富なフードメニューやドリンクメニューでレストランに近い営業をしているか、テイクアウトメインでコーヒー、プリンなど一定のメニューに絞って営業しているかによって原価率、回転率の考え方がことなります。

回転率が高く、原価率を抑えた人気メニューも作れるなら、主力のメニュー価格が30%を少し超えていたとしても採算が取れる可能性は高まります。

逆に、ゆったりとした空間を提供するようなスタイルで営業する場合には、価格設定をやや高めにする必要があるでしょう。

原価と回転数だけでなく、人件費や家賃など、原価以外にかかるコストなども考慮しながら、トータルで考えることが大切です。

開業後は徐々に適正な目標値を導くようにする

原価率や回転率は、これから始めてカフェを開業する場合、なかなかしっかりと設定するのはハードルが高いと感じる人も多いでしょう。

とはいえ、カフェの営業を軌道に乗せるためには、適正な原価率や回転率を出せるようになっておくことが大切です。最初は達成しやすいを目標を設定し、状況を見ながら徐々に適正値を導くようにしましょう。

カフェの回転率を上げるポイント

カフェの回転率を上げるためのポイントについて解説します。

テイクアウトやランチに力を入れる

カフェの営業では、テイクアウトメニューの導入とランチ営業に力を入れることで、回転率を高めることが可能です。店内でゆったりとした時間を過ごしてもらうコンセプトは継続しつつ、テイクアウトやランチ営業でしっかりと売上を確保するとよいでしょう。

注文や会計にかかる時間を短縮する

カフェが混雑する時間帯やテイクアウトの際には、注文を受けてからメニューを提供するまでにかかる時間や、会計を済ませる時間を短縮することで、より回転率が高まります。

回転率が上がるだけでなく、来店する側にとっても待ち時間が短くて済むため、リピーターになってもらいやすいメリットもあるでしょう。

混雑時のメニューは「今日のランチA~C」などに絞って提供する、作り置きが可能なメニューを取り入れる、調理作業やテーブルまでの動線を動きやすいように確保するといった方法があります。

行列ができる場合には、並んでいる段階からメニューを渡して事前に注文を決めてもらったり、事前に予約注文ができるようにしたりするのも1つの方法です。

会計にかかる時間は、ワンコインなどでお釣りが少なくなるようにする、電子決済など決済手段を増やす方法も検討するとよいでしょう。

また、ウーバーイーツや出前館などのデリバリーサービスと提携するのもおすすめです。店内の混雑状況に対応しつつ、遠方からの注文やデリバリー希望にも対応できるため、回転率をよりアップすることが可能となります。

カフェの原価率を抑えるポイント

カフェの原価率を抑えるためのポイントについても解説します。

メニューの工夫をする

すべてのメニューの原価率を抑えてしまうと、利用客に「この店は高いな」と思われてしまう場合があります。原価率が高く、決して安くない価格でもお得感を持ってもらえる工夫や、ドリンクやサイドメニューで原価率を抑えたものを提供するなど、バランスの良いメニューにするとよいでしょう。

盛り付けやレシピが斬新なもの、いわゆる「SNS映え」するようなメニューを考えるのもおすすめです。

キャンペーンを活用する

原価率を抑える場合、仕入れそのものを安く抑えることも大切です。季節に応じた旬の食材を安く買い付けるなど、効果的な仕入れ方法もチェックするようにしましょう。

積極的に販売したいメニューがある場合、時期に応じてキャンペーンや割引サービスを行うといった方法もあります。原価率を抑える方法とは少しことなりますが「SNSへのフォローで焼き菓子のサービス」など、付加価値を付けて宣伝や周知に協力してもらう方法もあります。

SNSだけでなく、電子決済やメール予約など、オンラインを利用したサービスは経費の削減にも役立つため、導入を検討してみるとよいでしょう。

安定した仕入先を確保する

主力にしているメニューに必要な食材がある場合、常に安定した価格で仕入れられるかどうかはとても重要です。一度設定した価格を頻繁に変えようとすると、利用者が混乱しやすいだけでなく、メニュー表を作り直すといった手間も発生してしまうからです。

フード・ドリンク共に、メインとするメニューに必要な食材の仕入先はしっかりと確保し、仕入れが不安定な食材を使う場合は、期間限定メニューなどにするとよいでしょう。

原価率と回転率を知ってカフェ経営を安定させよう

原価率と回転率は、店舗の経営を考える上で重要な数字となり、飲食店においては材料費を抑えることと、来店者数を増やして注文単価を上げることなどが大切となります。飲食店の中でもカフェとして営業する場合、ゆったりとコーヒーを楽しんでもらう空間を提供すると同時に、テイクアウトやランチ営業など、回転率を上げるための対策も取るとよいでしょう。安定して購入できる仕入れ先を確保する、オンラインサービスを上手に活用するといった方法もおすすめです。原価率や回転率を理解して、安定してカフェ経営を続けられるようにしていきましょう。

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