コーヒーという情熱

飲食店で値上げに失敗しない方法とは?成功のポイントを解説

2026.06.29

運営ノウハウ

その他

飲食店では、さまざまな理由で値上げせざるを得ないケースがあります。値上げをお客様に納得してもらうために押さえるべきポイントはあるのでしょうか。

この記事では、飲食店が値上げを検討するべき理由や、失敗のリスクを抑えて値上げするための方法などについて解説しています。

飲食店が値上げを検討するべき理由

飲食店が値上げを検討するべき理由には、以下のようなものが挙げられます。

原材料費や光熱費の値上がり

円安や燃料費の高騰、社会情勢による全般的な価格の上昇などにより、仕入れの食材や光熱費などが値上がりした場合、メニューの価格にも反映せざるを得なくなります。

人件費の高騰

飲食店を含む飲食業では、慢性的な人材不足が課題となっており、人手不足解消のため、以前よりも高い時給で採用する、条件を見直すといったケースも出てくるでしょう。
人件費が高騰すれば、これも価格に反映する必要があります。

そもそもの価格設定に改善が必要

原材料や人件費などの価格は変えていないのに、利益が少なく経営が苦しくなるケースも少なくありません。
開業時に集客目的で価格設定を低くしたまま経営を続けているなど、そもそも価格設定に対する利益率が適切ではなかった可能性があります。
利益率が低いメニューを提供していた場合には、仕入れや人件費の高騰も考慮した上で、適切な価格への改定が必要です。
 
値上げを検討する理由としては、その他に輸入コストや配送費、消耗品や備品代、地代家賃なども挙げられます。
 
▶ 関連記事:『 飲食店やカフェの利益率相場はどれくらい?計算方法や改善対策も解説
 

飲食店で値上げを検討する際のポイント4つ

飲食店で値上げを検討する際には、以下のポイントを参考にしてみましょう。

適切な原価率・利益率になっているかを見直す

まずは、以下の計算式を参考に、メニュー価格の利益率が適切かどうかを確認します。
 
原価率(%)=原価÷販売価格×100


例えば、原価500円、販売価格が1000円の場合、原価率は50%です。適切な原価率は30~35%が目安とされており、40%を超えている場合は、原材料などの見直しや値上げの検討が必要となります。
 
▶ 関連記事:『 飲食店やカフェの原価率と回転率を知ろう!目安や利益の出し方も解説

全体的なバランスも考慮する

利益率の低い価格のメニューがあるからといって、必ずしも値上げが必要でないケースもあります。利益率が低くても、人気メニューで採算が取れているような場合には、無理に値上げを行わないという選択肢も考えられます。 
全てのメニューを一律に値上げするのも1つの方法ですが、例えば人気メニューの価格は維持して他のメニューを値上げしてみるなど、自店に合った対策が検討できるかもチェックしてみるとよいでしょう。その際、近隣の競合店の価格も参考に見直しを検討するのがおすすめです。
 
<カフェ開業セミナー動画>メニューづくりの考え方や、原価を踏まえた価格設定、利益を確保するためのポイントについて解説動画

値上げ以外の改善点がないかチェックする

値上げを決定する前に、本当に値上げが必要かについては慎重に検討したいところです。利益率については、販売価格を上げずに原価を下げられないか考えてみることも大切です。
仕入れが不安定で原価が安定しない場合は安定的に購入できる仕入先を探す、現在使用している原材料や備品についてコストを抑えた商品で代替できないか見直す、通信費やその他の経費を削減するなど、値上げ以外の改善点がないかもしっかりチェックしましょう。
 
<カフェ開業セミナー動画>温度管理や在庫管理、原価管理、廃棄管理など、日々の店舗運営に欠かせない管理項目について解説動画

早い決断が安定経営の要となる

安定した経営を持続させるためには、コストの見直しや値上げは定期的に検討し、早い決断をすることが大切です。

一方で、人気メニューを値上げして売上が減少する、コストを意識し過ぎてメニューのクオリティが下がる、人件費を抑えて人手不足に拍車がかかるといった事態は避ける努力が必要となります。

失敗のリスクを避ける!値上げの際に押さえたいポイント3つ

値上げを実施する際には、顧客に値上げを納得してもらうことが重要です。失敗しない値上げの方法として、以下のポイントも押さえておきましょう。
 
▶ 関連記事:『 カフェ開業は難しい?よくある失敗例と経営を成功へ導く対策とは

物価高騰など、値上げの理由を丁寧に説明・周知する

物価高騰などの影響によりやむを得ず価格改定を行う場合には、値上げの理由を丁寧に顧客へ説明することが大切です。

これまで価格維持の努力を続けてきたが、原材料高騰の影響により営業を続けるためには値上げせざるを得ないことについて、わかりやすくかつ丁寧にまとめた告知を掲示しましょう。
掲示時期は遅くとも、値上げを実施する2週間~1ヵ月前にできるようにしておきます。

掲示場所は店頭やメニュー表など目につきやすい場所のほか、ホームページやSNSにも固定投稿するなどして、広く周知に努めるようにします。

値上げによる顧客側のメリットを伝える

値上げというとネガティブな印象を持たれがちですが、必ずしもデメリットだけではないこともお客様へ伝えるようにします。

経営の安定化やメニューの品質維持、改定後のメニューの魅力など、値上げすることによって顧客にもメリットがある場合もあります。
値上げによるメリットや、これまでの感謝の気持ちも積極的に伝えるようにしましょう。

キャンペーンや期間限定メニューなどのイベントを併用する

値上げと同時期に、複数のキャンペーンやイベントを併用するのも1つの方法です。値引きやプレゼントキャンペーン、期間限定の新価格メニューの開発など、値上げとイベントを併用することで値上げだけに注目されにくくなります。

新メニューを高めの価格設定にして、顧客の反応を見ながら段階的、限定的に値上げを実施する方法もおすすめです。
旧価格のメニューを販売終了し、改良したメニューを新メニューとして、新たな価格で販売する方法もあります。

【例文テンプレート】値上げの告知に使える例文集

値上げ告知の際に使える例文を以下にまとめましたので、参考にしてください。
 
・告知例1(原材料高騰による値上げの告知)
「日頃より〇〇をご利用いただき、誠にありがとうございます。当店のメニュー〇〇につきまして、近年の原材料高騰の影響にも関わらず価格の維持に尽力してまいりましたが、安定した提供と営業継続のため、誠に不本意ながら以下の通り価格を改定することとなりました。何卒ご理解いただき、引き続きご愛顧のほどお願い申し上げます。」
 
・告知例2(メニューをリニューアルする告知)
「いつもご利用いただき深く感謝申し上げます。お客様に上質なメニューをご提供するために、この度メニューの改善およびリニューアルを実施する運びとなりました。現在ご提供しているメニューの販売終了後は、リニューアルした新メニューの提供を開始いたしますので、楽しみにお待ちください。なお、当店人気のメニュー〇〇につきましては、リニューアル後も販売を継続いたしますので、引き続き何卒よろしくお願いいたします。旧メニュー販売終了とリニューアルスタートのスケジュールは以下の通りです。」
 
・告知例3(割引、値引きサービス終了の告知)
「【価格改定のお知らせ】〇〇では、現在ご提供しておりますポイントによる割引キャンペーンにつきまして、誠に勝手ながら〇月〇日をもって終了させていただきます。現在ポイントをお持ちのお客様におかれましては、期間までに早めにご利用いただきますようお願い申し上げます。キャンペーン終了後は新しいイベントの開始を予定しております。開始時期やイベント詳細などの最新情報についてはSNSで随時発信予定ですので、ぜひ当店のSNSをフォローしてお待ちください。」
 
店頭に掲示する場合やSNSで発信する場合はもちろん、お店のコンセプトや価格帯によってもふさわしい文面や表現は異なるため、上記はあくまでも参考として、自店に合った表現を使って告知文を作りましょう。

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定期的な価格見直しと対策で安定経営を目指そう

飲食店の値上げは、円安や原油価格の高騰、世界情勢の変化といった影響で、今後も検討が必要になることがあるでしょう。

利益率の計算や仕入先の変更、原材料の見直しといった施策も実施しつつ、品質や運営体制の維持など、値上げによるメリットも伝える努力をして、お客様が納得できる価格改定を行い、安定した経営を目指しましょう。

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