ラテアートとは?種類や基本の作り方とポイントを紹介

ラテアートされたカフェラテを見かけたり、実際に飲んだりしたことはあっても、どんな風に作られているのか、種類やラテアートの基本について理解している方は少ないのではないでしょうか。初心者でもラテアートはできるのか、作り方やバリエーションなどについても気になりますね。

ここでは、ラテアートの概要や作り方に加え、定番の模様やアレンジアートなどについてポイントを押さえてわかりやすく紹介しています。ラテアートについて知りたい、作ってみたいという方はぜひ参考としてお役立てください。

ラテアートとは

ラテアートとはどのようなものか、その概要や難易度などについて見ていきましょう。

ミルクを使って表面にアートを施したカフェラテ

ラテアートとは、エスプレッソにミルクを注ぎ、カップの表面に絵柄や模様などのアートを描くことや、アートが施されたカフェラテのことをさします。

カフェラテとは、エスプレッソコーヒーに蒸気で温めたスチームドミルクや、蒸気でふわふわに泡立てたフォームドミルクなどを注いで作る飲み物のことです。

初心者でもラテアートできる?

ラテアートは1980年代頃のミラノで始まり、エスプレッソコーヒーの普及と共に世界的に広がっていきました。エスプレッソコーヒーの抽出や専門的な技能を持ったカフェスタッフは「バリスタ」と呼ばれますが、ラテアートもイタリアのバリスタが発祥とされています。

エスプレッソコーヒーやカフェラテのプロであるバリスタ発祥のラテアートを作成するには、一定以上の技術が必要なのは事実です。しかし、ラテアートにもさまざまな模様があり、シンプルなものならコツを掴めば初心者でもラテアートにチャレンジすることは充分可能です。ラテアートの基本的な作り方について、以下でさらに詳しく見ていきましょう。

ラテアートの基本

ラテアートの作り方や種類について解説します。

ラテアートの作り方

ラテアートを作るためには、まず以下のものを用意する必要があります。

・エスプレッソマシン

ラテアートはエスプレッソコーヒーにミルクを注いで描くため、エスプレッソコーヒーを抽出するためのエスプレッソマシンは必須となります。自宅でエスプレッソコーヒーを抽出する場合は、家庭用の小型マシンや直火式のモカポットなどを使い抽出します。エスプレッソコーヒーは、ドリップコーヒーよりも濃厚で、ミルクを入れない状態でもクレマの下には不透明なコーヒーがあるのが特徴です。エスプレッソコーヒーを使わずにラテアートにチャレンジした場合、基本のやり方ではうまくアートが作れない場合があるので注意しましょう。

・エスプレッソコーヒー

エスプレッソマシンを使って抽出したエスプレッソコーヒーを準備します。通常、エスプレッソコーヒーはエスプレッソカップと呼ばれる小さなカップで提供しますが、ラテアートをする際はカプチーノ用のカップか、底に丸みのあるマグカップにエスプレッソコーヒーを注ぎます。カップの底に丸みのあるものを選ぶのは、コーヒーにミルクを注ぐ際の対流ができやすくなるためです。

・フォームドミルク(またはスチームドミルク):シンプルなラテアートには泡の少ないフォームドミルクを使います。フォームドミルクを作る際は、両方が作れる機能がついた電動のエスプレッソマシンが便利ですが、ミルクフォーマーだけを購入することも可能です。

・ミルクピッチャー:エスプレッソコーヒーにフォームドミルクを注ぐ用のピッチャーです。ラテアート用のピッチャーを準備した方が泡切れもよく、綺麗なアートに仕上がります。

・アート用のスプーン、ピック:ミルクを注いだ後に模様を描く際に使います。スプーンで泡を盛り上げたり、ピックを使って細い模様を描いたりします。

基本の作り方は以下の通りです。

  • 1. エスプレッソマシンでエスプレッソコーヒーを抽出し、カップへ注ぐ。
  • 2. ピッチャーへミルクを注ぎ、スチーマーで温めてフォームドミルクを作る。
  • 3. カップへピッチャーでミルクを注ぎ、円を描くように動かして模様を作る。
  • 4. 最後にピッチャーの注ぎ口で泡を切るように動かし、カップへ泡を乗せる
  • 5. スプーンやピックを使う場合は模様を描いて出来上がり。

ラテアートの種類(フリーポア、エッチング)

ラテアートの基本の作り方で紹介した動きには、「フリーポア」と「エッチング」と呼ばれる、ラテアートで使われる2つの技法が含まれています。それぞれの基本の手順は以下の通りです。

フリーポア:エスプレッソコーヒーにミルクを注ぐピッチャーの動きだけで模様を作る方法です。ハートやリーフなど、定番の模様はフリーポアの技術だけで描くことができます。

エッチング:ミルクピッチャーで大まかな模様を描き、スプーンやピックを使って細部を描く方法です。フリーポアよりも難易度は高くなりますが、慣れると細かなイラストや文字などが表現できます。エッチングでは、泡立てたフォームドミルクを使用することもあります。

ラテアートの定番模様

ラテアートで作る模様のうち、定番の模様について以下にいくつかご紹介します。

ハート

ハート模様は、ラテアートの中でも形がシンプルで、初心者でもチャレンジしやすい模様です。ハートの模様はフリーポアで描くことができます。ハートが作れるようになると、動物やキャラクターなど、さまざまなアレンジを加えることが可能です。フリーポアの基本的なハートの作り方は以下のようになります。

作り方:

  • 1.     エスプレッソコーヒーをいれたカップに、ピッチャーでスチームドミルクを注ぐ。
  • 2.     コーヒーとミルクが混ざってきたら、ピッチャーの注ぎ口をカップの表面に近づけていく。
  • 3.     カップの中心に白い円形ができてきたら、ピッチャーの先端で中心を切るようにしてハートの形を作る。
  • 4.     出来上がり。

ハート型を上手に作るポイントとしては、コーヒーにミルクをある程度注ぎ、コーヒーとミルクが混ざってからピッチャーを近づけるようにしましょう。中身をこぼさない程度に、カップを少し傾けると注ぎやすくなります。

ハートの大きさは、ピッチャーからミルクを注ぐスピードによって異なります。中心に大きなハートを作るもよし、小さなハートを並べるのもよし。大きさがコントロールできるようになるまでは、何度もチャレンジしてみるとよいでしょう。

リーフ

ハート模様をマスターしたら、少し難しいリーフ模様にもチャレンジしてみましょう。リーフもフリーポアの技術だけで描くことが可能です。フリーポアの基本的なリーフの作り方は以下の通りです。

作り方:

  • 1. エスプレッソコーヒーをいれたカップにミルクピッチャーからミルクを注ぐ。
  • 2. コーヒーとミルクが混ざってきたらピッチャーの先端を近づける。
  • 3. ピッチャーを近づけながら先端を何度も左右に振り、細かい横長の層のような模様を作る。
  • 4. 層の中心をピッチャーの先端で切るように線を描いて出来上がり。

リーフの模様を作る際、手前に来るほどピッチャーの振りを小さくすると手前側が小さく、奥が大きな葉の綺麗なリーフ型になります。

ピッチャーで中心を切る際は、少し手前に戻してから奥へ動かすようにすると描きやすいでしょう。

もしリーフがうまく作れない時は、以下の点をチェックしてみましょう。

  • ・ミルクをカップの3分の1程度まで注いでから先端を近づけているか
  • ・先端を左右に振る際に力を入れ過ぎていないか
  • ・フォームドミルクには成分無調整の牛乳を使い、泡のきめが細かいものを使っているか

特にミルクの状態は、ラテアートの仕上がりを大きく左右する原因となります。コンディションのよいミルクの状態を実際に見るなどして覚えておくことで、よりチャレンジしやすくなるでしょう。

こんな形もある?ちょっと変わったラテアート

フリーポアで定番の模様が上手に作れるようになったら、エッチングにもチャレンジしてみましょう。エッチングではスプーンやピックのほか、泡立てたフォームドミルクなども使うことで、イラストのような細かな表現も可能となります。

ハートを作る際の円形をアレンジして、スプーンで泡を乗せて耳を作り、ピックで顔を描けば、クマやネコといった動物を作ることができます。慣れてきたら既存のキャラクターや文字など、さらに細かな模様に挑戦してみるのもよいでしょう。

フォームドミルクをふんわりと乗せれば、立体的な3Dラテアートも作れます。腕に自信がある方はぜひチャレンジしてみましょう。

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キーコーヒーでは、おいしいドリップコーヒーのいれ方やラテアート、エスプレッソコーヒーに関する知識が学べるコーヒーセミナーを開催しています。また2022年からはインスタライブも開催し、コーヒーのある生活を楽むための様々な情報発信を行っています。

2023年3月23日のインスタライブでは、昭和のカワイイを詰め込んだレトロな器が人気のアデリアレトロとのコラボ企画として「ワイドマグで作るラテアート教室」を開催し、ご自宅で作れる「野ばなのラテアート」や「ズーメイトの3Dラテアート」を紹介しました。

「野ばなのラテアート」と「ズーメイトの3Dラテアート」の作り方を紹介した動画のアーカイブが視聴可能となっています。どちらのアートもとても可愛いので、ぜひご覧になってみてください。

アデリアレトロとのコラボライブ、ラテアートリール動画は、キーコーヒーの公式インスタグラムからご覧ください。

可愛くておいしいラテアートを楽しもう

ラテアートとは、エスプレッソコーヒーにスチームドミルクやフォームドミルクを注ぎ、カップ表面にアートを施す技法や、アートが描かれたカプチーノやカフェラテのことをさします。バリスタのような専門技能がなくても、シンプルなものなら初心者でもチャレンジすることが可能です。

キーコーヒーでは、プロの道具を使ってラテアートを作るセミナーなども開催しています。「エスプレッソマシンが自宅にない」「エスプレッソコーヒーやドリップコーヒーについて楽しく学びたい」という方は、お気軽に参加してみてください。 

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