エスプレッソとコーヒーはどう違う?基礎知識や楽しみ方を紹介
2025.10.30
豆知識

コーヒーを好んで飲んでいると「エスプレッソコーヒー」という単語を耳にすることがあります。このエスプレッソコーヒーとはどのようなものなのでしょうか。発祥や楽しみ方、エスプレッソコーヒーを使ったバリエーションなども気になるところです。
ここでは、普段なかなか聞く機会のないエスプレッソコーヒーの概要に加え、楽しみ方や注意点、エスプレッソコーヒーを使ったドリンクメニューの種類などについて紹介しています。コーヒーやエスプレッソコーヒーの基礎知識としても参考となる内容になっています。
エスプレッソコーヒーとは

エスプレッソコーヒーとは、どのような飲み物なのでしょうか。エスプレッソコーヒーの概要について解説します。
イタリア発祥のコーヒー
エスプレッソとは、イタリア発祥のコーヒーです。イタリアではもっともよく飲まれているコーヒーの1つで、「エスプレッソ」といえばコーヒーのことを意味します。アルファベット表記は”Espresso”で、イタリア語で「急速な」「急行」「特別な」といった意味を持っています。エスプレッソと呼ばれるようになった理由には、他のコーヒーよりも早く抽出できるから、または注文ごとに1杯ずついれる特別なコーヒーだから、など諸説あるようです。
エスプレッソコーヒーとドリップコーヒーの違い
エスプレッソコーヒーとドリップコーヒーでは、抽出方法が大きく異なります。ドリップコーヒーは、ドリッパーとフィルター、コーヒー粉をセットしてお湯を注いで抽出します。
一方、エスプレッソコーヒーは専用のマシンを使い、高い圧力をかけてコーヒー粉にお湯を通して抽出します。
抽出方法だけでなく、コーヒー豆の挽き方や焙煎度合いもドリップコーヒーとは異なります。ドリップコーヒーとエスプレッソコーヒーの主な違いは以下の通りです。
[ドリップコーヒー]
- 挽き方:細挽き~荒挽き
- 焙煎度合い:浅煎り、中煎り、深煎りなど
- コーヒー粉とお湯の割合:コーヒー粉10gに対して出来上がり量120ml
- カップ:コーヒーカップ、マグカップなど
- 味わい:すっきりとしたものやコク、フルーティな酸味を感じるものなどさまざま
[エスプレッソコーヒー]
- 挽き方:極細挽き
- 焙煎度合い:中煎り~極深煎り
- コーヒー粉とお湯の割合:コーヒー粉7~8gに対して出来上がり量20~30ml程度
- カップ:専用のエスプレッソカップ
- 味わい:濃厚で、味わい・香りなど余韻が長く続く
このほかにも、エスプレッソコーヒーには表面に「クレマ」と呼ばれるきめ細やかなの泡が見られるのも特徴です。エスプレッソコーヒーは、表面のクレマとその下にあるコーヒー液の2層に分かれています。
エスプレッソコーヒーとドリップコーヒーは、同じコーヒーとはいえ楽しみ方が違うものといえるでしょう。
エスプレッソコーヒーの楽しみ方

次に、エスプレッソコーヒーの楽しみ方について解説します。
エスプレッソコーヒーのいれ方
上記でも説明の通り、エスプレッソコーヒーの抽出には専用のマシンが必要です。「タンピング」と呼ばれるコーヒー粉を金属のバスケット部分へ押し固める作業は、エスプレッソの抽出において非常に重要で、技術が求められる作業です。
エスプレッソマシンには、抽出時間や圧力などを手動で調整できるセミオートタイプや、手動部分まで全自動で行うタイプやがあります。家庭用から業務用まで、大きさも価格もさまざまなものがされています。エスプレッソマシンにもいくつかの種類があり、主に以下のようなタイプが挙げられます。
- フルオート:豆を粉に挽くところからエスプレッソコーヒーの抽出までを自動で行ってくれるタイプのエスプレッソマシンです。
- セミオート:お湯の準備や抽出などを自動で行い、抽出時間や圧量調整などを手動で行うタイプのエスプレッソマシンです。
- カプセルタイプ:カプセルに入ったエスプレッソコーヒー用の粉をセットするだけで楽しめる便利なマシンです。
全てを自動で行うフルオートやカプセルタイプは便利な反面、自分だけのこだわりを反映しにくい場合があります。こだわりのエスプレッソコーヒーが楽しめるセミオートでは抽出に一定の技術が必要となるため、自身に合ったマシンを選びましょう。
エスプレッソコーヒーをおいしくいれるポイント
エスプレッソコーヒーをおいしくいれるポイントとして、まず自分好みの味わいのコーヒー豆を見つけることが大切です。適切な挽き目(細かさ)になっているか、直射日光や高温を避け、適切に保存できているかなどもいれる前にチェックしましょう。
エスプレッソマシンの扱い方や抽出方法は、知識や技術を身につけることも必要となります。その他に、定期的にマシンのメンテナンスをしっかりと行い、手入れの行き届いたものを使うようにするのも大事なポイントです。
エスプレッソコーヒーを楽しむ際の注意点
エスプレッソコーヒーを楽しむ際には、専用のマシンはもちろん、エスプレッソ用に焙煎した専用のコーヒー粉が必要です。コーヒー粉の量に対して使用する湯量がドリップコーヒーよりも少なく高圧で抽出しているため濃厚な味わいとなりますが、短時間で抽出するため、カフェイン自体はそれほど多く含まれていない点もあまり知られていないことの1つです。
エスプレッソコーヒーにおすすめのコーヒーをご紹介
エスプレッソに使用するコーヒー豆としておすすめのブランド「イリ―(illy)」は、1933年にイタリアで創業された老舗エスプレッソブランドです。
イリーは世界中から厳選した9種類のアラビカ種コーヒーを使用し、オリジナルのレシピでブレンドをしています。
エスプレッソに使用するコーヒー豆で迷ったら、試してみてはいかがでしょうか。
▷ おすすめ商品:「
イリーブレンド エスプレッソ ダークロースト インテンソ 粉 250g
」
味わい深く、力強いコクのある濃厚なダークローストブレンドです。そのままはもちろん、牛乳との相性もよいため、カプチーノやカフェラテでも楽しめます。
▷ おすすめ商品:「
イリーブレンド エスプレッソ ミディアムロースト クラシコ 粉 250g
」
酸味と苦味のバランスが良く、甘く花のような香りが特徴です。エスプレッソに適した極細挽きですが、ドリップコーヒーでも楽しめます。
▷ おすすめ商品:「
イリー エスプレッソカプセル ルンゴ
」
抽出量が多く、本格的なエスプレッソが楽しめるカプセルタイプのエスプレッソコーヒーです。
※ご使用いただくには、
Iperespresso用のカプセルコーヒーマシン
が必要です。
エスプレッソコーヒーのバリエーション
エスプレッソコーヒーをベースにして作られるメニューには、以下のようなものが挙げられます。
エスプレッソコーヒーを使った飲み物
カフェラテやカフェマキアート、カフェモカなどの飲み物は、すべてエスプレッソコーヒーをベースにして作られます。エスプレッソコーヒーを使った代表的な飲み物は以下の通りです。
[カフェラテ]
エスプレッソコーヒーとスチームドミルク(温めたミルク)を2:8の割合で作る飲み物です。ドリップコーヒーと牛乳を1:1で割って作るカフェオレと似ていますが、カフェラテはエスプレッソコーヒーを使用し、ミルク使用量が多いのですが、エスプレッソの風味もしっかりと楽しめる点がカフェオレとは異なります。
なお、カフェラテの表面にキャラメルのフレーバーを付けることでキャラメルラテになり、その他さまざまなアレンジが楽しめます。
◇ 関連記事:「 カフェオレとカフェラテの違いがわかる!作り方やアレンジ方法も解説 」
[カプチーノ]
エスプレッソコーヒーとフォームドミルクを使って作る飲み物です。
スチームドミルクは蒸気で温めたミルクのことで、フォームドミルクは蒸気の力できめ細やかに泡立てたミルクのことです。
◇ 関連記事:「 カプチーノとは?カフェラテとの違いや飲み方、作り方を解説 」
[カフェマキアート]
エスプレッソコーヒーとフォームドミルクを作る飲み物です。エスプレッソカップにフォームドミルクを注ぐことでコーヒーが丸みのある味わいで楽しめます。
カフェマキアートの「マキアート(macchiato)」はイタリア語で「染みのある」という意味があり、エスプレッソの表面にミルクの”染み”が浮かんでいる様子を表しているとされています。
[カフェモカ]
エスプレッソコーヒーにフォームドミルクやスチームドミルクとチョコレートソースを合わせて作る飲み物です。お好みで生クリームやココアパウダー、クラッシュナッツなどをトッピングするのもおすすめです。
◇ 関連記事:「 カフェモカってどんな飲み物?カフェラテとの違いやおいしいアレンジレシピも紹介! 」
スチームドミルクやフォームドミルクを使い、カップの表面にイラストを描く技術はラテアートと呼ばれ、エスプレッソコーヒーの抽出やラテアートの技術などを身につけている人は「バリスタ」と呼ばれます。
◇ 関連記事:「 ラテアートとは?種類や基本の作り方とポイントを紹介 」
[フラットホワイト]
エスプレッソコーヒーにフォームドミルクを加えて作る、オーストラリア生まれのコーヒーです。ミルクの泡は薄めに、表面が平らになるよう仕上げるのがポイントです。
◇ 関連記事:「
フラットホワイトってどんな飲み物?カフェラテとの違いや作り方を解説
」
エスプレッソコーヒーを使ったスイーツ
エスプレッソコーヒーは飲み物だけでなく、スイーツにアレンジすることも可能です。エスプレッソコーヒーを使った代表的なスイーツは以下の通りです。
[ティラミス]
甘いリキュールや砂糖を加えたエスプレッソコーヒーを染み込ませたビスケットやスポンジに、泡立てた卵黄と卵白を混ぜたマスカルポーネチーズを交互に重ね、表面にココアパウダーを振りかけたイタリアの有名なスイーツです。
上品なコクを感じるマスカルポーネチーズのふわふわで濃厚な触感と、エスプレッソコーヒーとのハーモニーが特徴的で、特に日本で人気のあるスイーツとなっています。ティラミス(tiramisu)は「私を元気にして」といった意味のあるイタリア語です。
[アフォガート]
バニラアイスクリームにエスプレッソコーヒーをかけたデザートです。エスプレッソの味わいとバニラアイスの風味がシンプルに味わえる、気軽なスイーツとして人気があります。
アフォガート(affogato)は「溺れた」という意味のイタリア語で、バニラアイスがコーヒーに溺れているように見えることからついた名称だといわれています。エスプレッソコーヒーの代わりに紅茶やリキュールを使ったアフォガートなどもあります。自宅でも簡単に作れるため、エスプレッソコーヒー以外にも濃いめにいれたほうじ茶や抹茶、バルサミコ酢などをかけて、バニラアイスとのマリアージュを楽しんでみてはいかがでしょうか。
◇ 関連記事:「
アフォガードとは?意味や作り方、おすすめのアレンジを紹介
」
エスプレッソコーヒーを使った飲み物について、さらに詳しく知りたい方は以下もご覧ください。
◇ 関連記事: 「 エスプレッソマシンなし!自宅でできるカフェラテの作り方9選 」
【イリ―コーヒー大学(Udc)講師おすすめ】エスプレッソに合うスイーツ
エスプレッソに合うスイーツとして、本場イタリアではエスプレッソに浸して食べられることの多い素朴なビスケット「カントゥッチーニ」などが挙げられます。
また、ナッツやチョコレート、チーズケーキなど、濃厚でコクのあるものや香ばしさが楽しめる食材を使ったスイーツもエスプレッソのお供におすすめです。
エスプレッソコーヒーについてもっと知りたい方はコーヒーセミナーがおすすめ
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エスプレッソとコーヒーの違いを知って奥深さを楽しもう
エスプレッソコーヒーは、通常のドリップコーヒーとは豆の焙煎や挽き方、抽出方法も異なります。専用のマシンで高圧にて抽出し、エスプレッソカップと呼ばれる小さなカップで楽しむイタリア生まれのコーヒーです。濃厚な苦みとコクが特徴で、ストレートで楽しむほか、カフェラテやマキアート、カプチーノなどもエスプレッソコーヒーをベースに作られます。
エスプレッソコーヒーに専用のいれ方や豆選びがあるように、自宅でいれるドリップコーヒーにもおいしくいれるコツがあります。
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