ゲイシャコーヒーとは?歴史や由来、特徴やおすすめの飲み方を紹介

コーヒーの種類について調べていると「ゲイシャコーヒー」という名称を耳にすることがあります。ゲイシャコーヒーとはどのようなコーヒーなのでしょうか。産地や名前の由来、味の特徴も気になるところです。

ここでは、ゲイシャコーヒーの概要や歴史、特徴に加え、ゲイシャコーヒーの名前の由来やおいしい飲み方について解説しています。ゲイシャコーヒーがぴったりなシーンについてもご紹介していますので、コーヒー選びの参考としてお役立てください。

ゲイシャコーヒーとは

まずは、ゲイシャコーヒーとはどのようなコーヒーなのか、その概要や名前の由来などについて見ていきましょう。

エチオピア生まれの希少なコーヒー

ゲイシャコーヒーとは「ゲイシャ種」と呼ばれる、エチオピア原産のコーヒー豆です。ゲイシャ種はアラビカ種に属する品種の1つで、アラビカ種からの突然変異によって生まれたともいわれる、希少なコーヒーとなっています。

コーヒー豆には多くの種類がありますが、元をたどると「アラビカ種」「カネフォラ種」「リベリカ種」の3つの原種のいずれかに行き着くとされています。この3つの原種は「三大原種」と呼ばれており、それぞれ以下のような特徴を持っています。

<アラビカ種>

エチオピア原産の原種で、現在流通しているコーヒーの約6割がアラビカ種を原種としています。甘い香りと酸味のある味わいが特徴です。

<カネフォラ(ロブスタ)種>

アフリカ、コンゴ原産の原種で、現在流通しているコーヒーの約4割がカネフォラ種を原種としています。強い苦みと香ばしさが特徴です。

<リベリカ種>

西アフリカ、リベリア原産の原種で、現在流通しているコーヒーの1%にも満たず、リベリカ種を原種とするコーヒーは主に栽培地域で消費されています。苦みと香ばしさの強い味が特徴です。

アラビカ種を原種としたコーヒー豆は、現在もっとも多く栽培、収穫されています。ゲイシャコーヒーもアラビカ種を原種としたコーヒー豆ですが、栽培が難しく収穫量も少ないため、希少性のあるコーヒーとなっています。

ゲイシャコーヒーの名前の由来は?

「ゲイシャコーヒー」の名前は日本の「芸者」が由来になっているのでは?とイメージされる方も多いかもしれませんが、ゲイシャコーヒーは芸者とは関連がありません。エチオピアの「ゲシャ」と呼ばれる地域に自生していたことがゲイシャ種の名称の由来とされています。現在、ゲイシャコーヒーは中南米、パナマを中心に栽培されています。

ゲイシャコーヒーの歴史

ゲイシャ種のコーヒーがエチオピアで発見されたのは、1930年頃だといわれています。16世紀よりも前からコーヒー栽培が行われていたとされていることを考えると、ゲイシャコーヒーはかなり近年になってから発見されたコーヒー豆であるといえるでしょう。

ゲイシャコーヒーがパナマへ渡ったのは1960年代頃で、当初は他のコーヒーのさび病対策の1つとして用いられたといわれています。当時からゲイシャコーヒーのおいしさは認められていたものの、収穫量の少なさと栽培の難しさから、あまり注目されることはありませんでした。

ゲイシャコーヒーが一躍有名になったのは、2004年に開催された国際品評会のコーヒーオークションにおいて、歴代落札価格の世界記録を更新して落札されたことがきっかけとなっています。この出来事は「ゲイシャショック」とも呼ばれ、この日からゲイシャコーヒーは世界的に脚光を浴びることとなったのです。ゲイシャショックによるゲイシャコーヒーの高値高騰は現在も継続状態にあり、エスメラルダ農園のゲイシャコーヒーは1区画あたり約300ポンド(約5万円)ほどで出品されても、毎回すぐに完売となるほどの人気だといわれています。末端価格は通常のコーヒーの5~10倍を超えることも少なくないのです。

ゲイシャコーヒーは限られた土地でしか栽培できないため、品質の高さに定評はあるものの長らく市場に定着することはありませんでした。しかし、エスメラルダ農園に代表されるパナマのコーヒー農園の弛まぬ努力によって生産が続けられ、ゲイシャショックを経て近年の人気へと繋がっていきます。

現在、ゲイシャコーヒーは希少性の高いスペシャルティコーヒーとして、世界的に注目を集めていますが、コーヒー農園のコーヒーに対する誠実な姿勢によるところも大きいといえるでしょう。

ゲイシャコーヒーはどんな味?

希少性があり、コーヒーとしてのクオリティも高いといわれるゲイシャコーヒーは、どのような味なのでしょうか。

フルーティーで特徴的な味わい

ゲイシャコーヒーは、花のような香りに酸味と甘みが特徴的な、紅茶を思わせるような味わいのコーヒーです。柑橘系のフルーツのようなフレッシュな酸味とはちみつのような甘みで、飲み終わった後も長く余韻が続きます。

コーヒーを飲み慣れている人なら、普段口にするコーヒーとゲイシャコーヒーとの違いに驚くかもしれません。また、普段コーヒーを苦手に感じている人には、紅茶に似た味わいが新鮮なコーヒー体験となるでしょう。

浅煎りのブラックがおすすめ

ゲイシャ種は希少性の高いコーヒーであることに加え、フルーティーな酸味とフローラルな香りが特徴的なコーヒーです。ゲイシャコーヒーの酸味と香りを楽しむなら、焙煎し過ぎていない浅煎りのものを選ぶとよいでしょう。

フルーティーな酸味を持つコーヒーのため、ミルクを入れるよりもブラックで飲むのがおすすめです。浅煎りの豆をやや低めの温度でいれたブラックコーヒーなら、ゲイシャコーヒーが持つ魅力である新鮮な甘みや香りが存分に楽しめるでしょう。

ゲイシャコーヒーがぴったりのシーン

最後に、ゲイシャコーヒーを飲むのにぴったりのシーンについてもご紹介します。ゲイシャコーヒーが手に入ったら、以下のようなシーンで試してみましょう。

特別な日のごほうびに

頑張ったごほうびとしてゲイシャコーヒーを選んでみましょう。リラックスして疲れや緊張も解れ、コーヒーの香りと共に心地良い達成感に包まれることでしょう。

希少で高価なゲイシャコーヒーは、プレゼントにするのもおすすめです。フレッシュで香り高く華やかな味わいは、記念日など特別な日のお祝いとしても喜ばれます。徹底した厳しい品質管理のもとで流通しているゲイシャコーヒーは、最高級のスペシャルティコーヒーとして贈り物に選ぶことが可能です。

おもてなしに

コーヒー好きの友達や家族がいるなら、複数人で集まってゲイシャコーヒーの試飲会を開いてみるのもよいでしょう。他のコーヒーも用意して飲み比べたり、スイーツを持ち寄ってパーティーを開いてみたりするのもおすすめです。スイーツパーティーだけでなく、ディナーパーティーでゲイシャコーヒーを楽しむのもよいでしょう。ゲイシャコーヒーのストーリーと共に提供すれば、ゲストへ新鮮な体験を届けることができます。

ゲイシャコーヒーがもつ特別感や華やかな味と香りは、打ち上げやお祝い会、クリスマスやお正月といったハレの日を彩るおもてなしにもぴったりです。

ゲイシャコーヒーはどこで飲める?

特別な日のお祝いやおもてなしにも使えるゲイシャコーヒーですが、希少性が高いことに比例して、通常のコーヒーよりも高価で手に入りにくい点はデメリットであるといえます。それでも、スペシャルティコーヒーを扱うコーヒー専門店では購入が可能となっています。また、全国展開している大手カフェなどでは、期間限定でゲイシャコーヒーが販売される場合もあります。豆を購入して自宅で楽しむのもよいですが、老舗の大手カフェでプロの手によっていれられたゲイシャコーヒーを飲むのもおすすめです。

上質で希少なゲイシャコーヒーは見つけたら手に入れておきたいところですが、価格相場は最低でも通常のコーヒーの3倍ほどとなるケースが多く、中にはそれ以上の価格で流通していることも少なくありません。ゲイシャコーヒーはコーヒー好きな人にはもちろんのこと、フルーティーな爽やかさとアールグレイのような香り高さで、コーヒーが苦手な人にもおすすめできるコーヒーの1つです。

「ゲイシャコーヒーの名前の由来」や「ゲイシャショック」「農園の人々の努力」など、コーヒーに流れるストーリーも貴重なゲイシャコーヒーを見つけたら、ぜひ一度試してみるとよいでしょう。

ゲイシャコーヒーでいつもと違ったコーヒー体験を

ゲイシャコーヒーは、エチオピア原産のゲイシャ種と呼ばれるコーヒー豆で、現在はパナマを中心に栽培されています。コーヒーとしての歴史は浅いものの、味や香りの品質の高さに加えて栽培が難しく、収穫量も少ないことから、貴重なスペシャルティコーヒーとして近年人気を高めています。

フルーティーな酸味とはちみつのような甘みに花のような香り高さが特徴で、特別な日のごほうびや贈り物に向いているほか、パーティーなどのおもてなしといったシーンにもおすすめです。希少なため手に入りにくく、高価である点は否めませんが、他のコーヒーと飲み比べたり、ゲイシャコーヒーのストーリーを楽しんだりと、いつもと違ったコーヒー体験ができるでしょう。

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