コーヒーの産地による違いはある?エリアごとの特徴をご紹介
2025.12.26
豆知識

コーヒーはさまざまな国で生産されていますが、コーヒーの産地によって味わいや風味にどのような違いがあるのでしょうか。
違いが生まれる理由や、コーヒー生産エリアごとの特徴などについて詳しくご紹介していきます。
生産国など収穫される産地(エリア)によって味わいの特徴がある

コーヒーは産地によってさまざまな味わいや風味を感じることができます。コーヒーには栽培に適したいくつかの条件があり、その条件に合致した特定のエリアで栽培されています。
世界のコーヒー豆生産量ランキング
USDA(アメリカ農務省)が発表している2024-2025年のコーヒー豆生産量ランキングによると、ランキング1位はブラジルで、世界生産量の37%、4割近くを生産していることがわかっています。
以下は2位ベトナム(17%)、3位コロンビア(8%)、4位インドネシア(6%)、5位エチオピア(6%)と続きますが、ブラジルの生産量は2位のベトナムに大きく差をつけています。
参照:
USDA“Top Producing Countries 2024/2025 Coffee Production”
コーヒー産地に適した条件とは
コーヒーの産地となるには、コーヒー栽培に適したいくつかの条件を満たしている必要があります。まず年間を通して温暖な気候であり、かつ昼夜の寒暖差もある標高の高いエリアであり、豊かな土壌であることが重要です。
コーヒーに適した条件を持ち、コーヒー産地が集まっているエリアは「コーヒーベルト」とも呼ばれています。
コーヒーベルトは赤道を挟んだ南北緯25度にあるエリアをさし、現在コーヒーが生産されているおよそ70ヵ国がコーヒーベルトに位置しています。
また、コーヒーは品種によっても栽培条件が異なります。アラビカ種の場合、平均気温は18~22度、年間平均雨量は1,200~2,000mm程度であり、土壌は弱酸性で水はけがよく、表土が深いなどの条件が適しています。
カネフォラ種はアラビカ種に比べて病害虫に強く、平均気温22~28度程度で年間平均雨量は2,000~2,500mm程度が適しています。
コーヒーの産地が味や特徴に影響する理由

コーヒーの産地が味や特徴に影響する理由について見ていきましょう。産地がコーヒーに与える影響としては、気候や標高といったエリアの特徴と、品種による違いに分けられます。
赤道からどの程度の距離にあるか、生産国(収穫エリア)での精選方法も、コーヒーの味わいや風味に影響を与えています。
産地の気候による影響
上記で挙げたコーヒーベルトに位置するエリアであっても、降水量や日照時間、土壌の栄養状態によって、栽培されるコーヒー豆への影響は異なります。
雨季や乾季、平均気温などの条件が似ていても、タイミングやさまざまな条件の重なりによって、そのエリア独自のコーヒーの味わいが形成されていくのです。
標高による影響
標高の違いも、コーヒーの味わいに影響します。生産国によっては、標高を格付(生豆の輸出規格)として定めており、標高が高いエリアで収穫されたコーヒーは、低いエリアで収穫されたコーヒーと比べて格付けが高くなります。標高の高いエリアで栽培されるコーヒーの実はゆっくりと熟し、引き締まって風味豊かなコーヒーとなります。
品種による影響
コーヒー豆には品種があり、品種ごとに味の特徴が異なります。ここでは、主に流通している「アラビカ種」と「カネフォラ種」についてご紹介します。
[アラビカ種]
甘い香りと上質な口当り、すっきりとした酸味が特徴の品種です。抽出した時の香りや味わいに優れており、現在生産されているコーヒー豆はそのほとんどがアラビカ種を原種としています。
▶ 関連記事:『 アラビカコーヒーとは?味わいや歴史、品種の違いなどを紹介 』
[カネフォラ種(ロブスタ種)]
苦みと香ばしさが強い特徴を持った品種です。パンチのある苦みを活かしたブレンドコーヒーやアイスコーヒー、また缶コーヒーやインスタントコーヒーの原料として使用されます。生産量は全体の2~3割程度です。
▶ 関連記事:『
【目的・シーン別】コーヒー豆のおすすめはどれ?種類や産地ごとの違いと選び方
』
コーヒーの産地・精選方法別に特徴をご紹介
コーヒーの産地として知られる代表的なエリアについて、それぞれの概要や特徴について見ていきましょう。
南米・中南米
南米や中南米はコーヒー産地の多いエリアで、ブラジルやグァテマラ、コロンビア、ホンジュラスなどが挙げられます。
コーヒー豆は精選方法によっても味わいが異なり、大きく分けて、収穫したコーヒーの果肉などを水で洗い流して乾燥させる水洗式と、コーヒーの果肉ごと乾燥してから豆を取り出す非水洗式があります。
一般的に、水洗式はクリアでマイルドに、非水洗式はフルーティーでコクのある味わいになるとされています。
南米系・中南米系の水洗式・非水洗式それぞれの産地と味わいの違いは以下の通りです。
<南米系(非水洗式)>
ブラジル:甘み、柔らかな苦みと適度な酸味
<南米系(水洗式)>
コロンビア:甘い香り、しっかりとした酸味とコク、重厚な風味
<中南米系(水洗式)>
メキシコ、グァテマラ、ホンジュラス等:甘い香りとすっきりとした酸味が特徴
このほかにもメキシコやエルサルバドル、コスタリカなど、南米、中南米はコーヒー産地が多いエリアとなっています。
アフリカ・アラビア系
アフリカ・アラビアエリアは、コーヒー発祥の地として古くから知られているエリアです。アフリカエリアの代表的なコーヒー産地としてはタンザニア、エチオピア、ケニアなどがあり、アラビアエリアのコーヒー産地にはイエメン、インドが挙げられます。
アフリカ系・アラビア系の水洗式・非水洗式それぞれの産地と味わいの違いは以下の通りです。
<アフリカ系(水洗式)>
タンザニア、ケニア:しっかりとした酸味とコクに加え、重厚な風味も感じられる
<アフリカ・アラビア系(非水洗式)>
エチオピア、イエメン:フルーティーな甘い香りと、柔らかな酸味とコクが特徴
アジア
南米や中南米、アフリカがコーヒー産地として有名ですが、アジアでもコーヒーの生産量2位のベトナムをはじめ、インドネシアや中国などでコーヒーが生産されています。
ベトナムはカネフォラ種の代表的な生産国の1つであり、島国であるインドネシアもカネフォラ種が代表的な栽培品種となっていますが、スマトラ島で栽培されているマンデリンコーヒーやスラウェシ島で栽培されているトラジャコーヒーなど、日本で人気があるアラビカ種の産地でもあります。
その他中国やタイなど、アジアにおけるコーヒー生産国は近年増えてきており、日本でも一部地域でごく少量のコーヒー栽培が行われています。
お気に入りのコーヒー豆を見つける際のポイント
お気に入りのコーヒー豆を探す際には、以下のポイントを参考にしてみてください。
地域ごとの特徴を知っておく
好みの味わいのコーヒーを見つけたら、生産国をチェックしてみましょう。「このエリアのコーヒーは好み」など、コーヒーを生産国でとらえ、近しい位置(エリア)で生産されたコーヒーを試してみるのもおすすめです。
また、水洗式か非水洗式かなど、コーヒーの精選方法もチェックしてみましょう。好みの味わいのコーヒーの精選と同じものを選んだり、エリアや精選の特徴を掴んで選んだりすることで、好みのコーヒーを探しやすくなるでしょう。
飲むシーンによって豆を変えるのもおすすめ
来客時や気軽に飲みたい時など、飲むシーンによってコーヒーを選んでみましょう。仕事や家事の気分転換に飲むコーヒーと、お茶会や食後にゆっくり飲むコーヒーとでは、お気に入りが変わることもあるかもしれません。
「今夜の献立にはどんなコーヒーが合うかな」「来客時にお出しするならどんなコーヒーがいいだろう」など、シーンごとにコーヒーを選んで、新しいコーヒーのおいしさを発見してみましょう。
迷ったらブレンドがおすすめ
生産国や精選方法を理解していてもコーヒー選びで迷ってしまう場合は、ブレンドを選ぶのもおすすめです。
プロが厳選したブレンドコーヒーは味のバランスがよく、コーヒー初心者はもちろん、コーヒー好きの方にもおすすめです。
「迷ったらブレンドを選ぶ」という選択肢があると、コーヒーがより選びやすくなります。
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キーコーヒーオンラインショップなら味わいや用途、価格帯、香りのイメージや飲むシーンなど、さまざまな条件からぴったりのコーヒーを探すことが可能です。
コーヒー選びで迷ったら、さまざまなシーン別におすすめのコーヒーが検索できるキーコーヒーの公式オンラインショップをぜひご利用ください。
コーヒーの産地ごとの違いを知ってコーヒーの知識を深めよう
コーヒーは産地ごとに味わいなどの特徴が異なりますが、品種や精選方法によっても異なります。生産国や精選方法をチェックしておくことで、お気に入りのコーヒーが見つけやすくなります。飲みたいシーンごとに違ったコーヒーを選んだり、迷ったらブレンドを選んでみたりするのもおすすめです。
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あわせて読みたい記事 『【目的・シーン別】コーヒー豆のおすすめはどれ?種類や産地ごとの違いと選び方』
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