コーヒーという情熱

カフェ・飲食店開業のための事業計画とは?事業計画書の書き方についても紹介

2022.01.31

開業方法・準備

資金・融資等

カフェを開業しようと検討されている方は、事業計画書というフレーズに触れたことがあるのではないでしょうか。

カフェや飲食店開業のためには事業計画を立てて事業計画書を作成する必要がありますが、実際にどうすれば良いのか分からないという方も多いでしょう。そもそも事業計画は必ず必要なのかと疑問を持っている方もいるかもしれません。

そこでこの記事では、カフェ・飲食店開業のための事業計画とはどのようなものなのか、また事業計画書の書き方について解説します。

事業計画書とは?どうして必要?

 

 

そもそも事業計画書とはなんなのか、どうして必要なのかを説明します。

◆事業の可視化

 

カフェを開業しようとする方のなかには「店のイメージや運営のやり方は、頭の中にしっかり入っている」という方もいるかもしれません。

 

しかし事業計画書を作らずに開業したカフェは、失敗する確率が高いとも言われています。カフェの経営は考えている以上に難しくあり、飲食業は開業の数が多いものの廃業する数も多いのが現状です。

 

頭の中にある事業計画を第三者にでも分かるように可視化することで、経営が行き詰まったときの立て直し方も検討しやすくなります。

 

事業計画書作成に当たり考えておくべきことは、次の通りです。

 
  • どのように展開していくのか

  • なんのための開業なのか

  • 商品やサービスの概要

  • 競合はどのようなところか

  • ターゲット

  • 資金計画 など
 

一口にカフェと言っても、さまざまなタイプがあります。自分が開業しようとしているカフェがどのようなものなのか、目に見える計画書にすれば、開業前に改善点が見つかる場合もあります。

 

例えば上で挙げた「なんのための開業なのか」について、「カフェが好きで自分の店を持つのが夢だったから」あるいは「場所が空いていたから」だったとしましょう。

 

前者の「カフェが好き」なタイプは、現実的な利益を度外視してしまっている可能性があります。よって、経営について学び、知識を身につける必要があるかもしれません。

 

後者の「場所が空いていたから」という場合は、他の商売ではなく「カフェ」である必要があるのかと考えてみましょう。カフェは思ったほど利益率が高くないことが多く、カフェにこだわる強い意志がないと続かなくなってしまう可能性があるからです。

 

事業計画を立てながら「どのようなアイデアを持っているのか」「考えながらひらめいたこと」も可視化しておくと、経営のヒントになることもあるでしょう。

◆事業計画の共有

 

カフェの開業を創業者一人で行う場合もあれば、共同経営者や家族などと行う場合もあるでしょう。

 

たとえ一人で開業したとしても、経営を続けていくうち、事業を大きくしてスタッフが増える可能性もあります。そして人数が増えてくると、事業計画が創業者の頭の中にあるだけでは、認識を共有するのが難しくなることも想定できるでしょう。

 

その際に、最初に作成した事業計画書を共有すれば、方向性を間違うことなく運営を進めていけます。

◆融資の審査

 

カフェを運営するには、必要な資金を調達する必要があります。仮に開業資金は十分にあったとしても、運営していくうちに融資が必要になることもあるでしょう。

 

資金調達を実施するためには、公的・民間の金融機関や投資家などに事業計画書を提示する必要があります。金融機関は返済能力がない事業にはお金を貸してはくれませんし、投資家は成長が見込めない事業には投資しません。

 

そのため、事業計画書に説得力があり信頼を得られれば、資金調達もしやすくなり、カフェの運営もスムーズになるといえるでしょう。

事業計画書を書く上でのポイント

 

 

実際に着手する前に、事業計画書を作成するにあたって知っておきたいポイント、心がけることを紹介します。

事業計画書のフォーマットは?

 

文書を作成するのが苦手な方でも、決まったフォーマットに記載していくなら、比較的簡単でしょう。

 

そこで「事業計画書にはフォーマットはある?」と疑問に思う方もいるでしょう。答えは「フォーマットはない」です。

 

事業計画書はExcelでもWordでも、メモでも手書きでも、読めて共有できればどのような形式でも構わないので自分で作成する必要があります。

 

ただし各金融機関のサイトから、事業計画書のフォーマットをダウンロードできるようにはなっています。

 

「それなら決まったフォーマットで作成するほうが簡単」と思いがちですが、ダウンロードできるフォーマットでの項目は必要最小限のものだけなので、事業計画書を作成するには不十分です。

 

よって、融資を受ける際にはフォーマットの他に別紙を添付するケースが多くなっています。

細かく具体的に

 

事業計画書の内容は、細かく具体的に記載しましょう。漠然とした計画を羅列するだけの文章では、資金提供者に理解してもらうのは難しくなります。

 

細かく具体的な事業説明書を作成するためには、まず要点をまとめておく必要があるでしょう。

 

細かく具体的にするためには、次の点を心がけてください。

 

・一見事業計画には関係なさそうなことも含める

 

・根拠のある数値の記載

 

・競合の分析

 

一見事業計画には関係なさそうなこととは、例えば、代表者のプロフィールです。どのような経歴・経験・スキルを持った人物が創業者なのかは、他者から信頼を得られるかどうかのポイントとなることもあります。

 

従業員数、課題や問題点なども、他者に説明できるように記載しておく必要があるでしょう。

 

また、「売上5%アップ」といった収益見込みの数値も具体的に記載するようにしますが、根拠を説明できる必要があります。それをどういった手段で実現できるのかが現実的でなければ、説得力のない事業計画書になってしまうでしょう。

 

競合について調査し、分析することも重要です。そこでどのようにして商売を展開していくのかが問われるからです。

 

競合についての記載がない場合、商売や収益についてきちんと考えていない印象を与えてしまうかもしれません。逆に、綿密に計画が練られていれば、期待値を上げることができるでしょう。

 

競合の分析も併せて、客観的なデータや根拠に基づいた数値や戦略を細かく具体的に記すことが、信頼を得て、運営をスムーズにする事業計画作成に繋がります。

見やすく分かりやすく

 

さまざまな要素を入れると、膨大な量になってしまいそうですが、事業計画書は簡潔に、見やすく分かりやすくまとめる必要があります。

 

そのためには、次の方法を心がけると良いでしょう。

 

・書式を統一する

 

・図や表を挿入する

 

読みやすくするためには、決まったフォーマットはないとはいえ、文字サイズやフォントは統一することです。

 

また、文字だけが羅列する文書は読みづらいもの。適度に図を挿入して、見やすくする工夫もしましょう。特に、数値の記載をする際には表やグラフを使うと、分かりやすくなり説得力も増します。

 

自分が納得できれば良いというのではなく、金融機関担当者に理解してもらえるように、きちんと整合性を持って説明できるのかを考慮しながら作成するようにしましょう。

事業計画書の書き方を紹介

 

上記のポイントを踏まえた上で、ここからは具体的に、事業計画書の書き方を紹介していきます。

 

事業計画書にはどのような内容をどのように記載していけば良いのでしょうか。

 

◆動機や目的

 

開業の動機は、融資を受ける際に重要視されます。飲食店の経営は廃業率が高いこともあり、トラブルが起きても折れない気持ちをアピールすることが大切だからです。

 

カフェ開業を決意した体験や経験、状況などを融資担当者に伝えるため、そしてなによりも自分の気持ちを確認するためにも文書化しておきましょう。

 

また、カフェの営業を通してなにを目指しているのかという目的も具体的に書きます。

 

なぜカフェである必要があるのか、カフェの営業を通して誰になにを提供したいのか、細かく綴りましょう。「このような社会貢献がしたい」「このような人たちに喜んでもらいたい」など、たとえカフェ営業に関する経験値が少ないとしても、熱意が伝わる内容にすることが重要です。

経験値・スキル

 

創業者のプロフィール・略歴では、経験やスキルを記載します。どのような経験があるため、どのようなスキルを持っているのか、その上で運営をどのように展開していくのかがイメージできるようにすることです。

 

得意とするスキルを活かし、苦手なことに関しては他のスタッフに任せるのか外部委託するのかなど、現実的な運営計画もアピールできる項目となります。

商品やサービスの概要

 

ここに入れるべき情報は「取扱商品」「集客方法」です。

 

開業するカフェでは、どのようなメニューを用意するのか、コーヒー以外の取り扱いはあるのかなどを分かりやすく書きましょう。どのようなコーヒーで、セールスポイントはなんなのか、またターゲットはどのような層なのかといった戦略も練り、記載することです。

 

立地条件も考慮し、どのようなパターンで集客の見込みがあるのかも書き出しましょう。実現可能であるさまざまな戦略を練っているほど、資金提供者からの信頼度が高くなり期待値も上がる可能性が高くなります。

資金調達

 

資金調達に関する計画も重要な項目です。

 

営業で利益が出たとしても、十分に資金が足りているかどうかは分かりません。

 

資金計画の作成には、売上計画と利益計画で出した数値が必要なため、まずはこの数値を計算しましょう。この数値を明確にしなければ、資金計画も曖昧なものになってしまいます。

 

銀行から借り入れをする際に、返済できる能力があるのかという判断をしてもらうためにも、明瞭な資金計画の作成は重要になるのです。

信頼を得るための事業計画書を作成しよう

 

カフェを開業することを考えているのなら、事業計画を立て、事業計画書を作成することが必要です。理由は、事業計画を視覚化するため、情報を共有するためです。

 

また、運営していくに当たり、資金調達の際にも金融機関に事業計画書を提示することになります。

 

事業計画書にフォーマットはありませんが、漠然とした内容ではなく細かく具体的に記載することを心がけましょう。図や表などを挿入し、見やすく分かりやすくすることも重要です。

 

自分の気持ちを再確認するためにも、融資の審査の際に信頼を得られるような事業計画書を作成することが、スムーズなカフェ運営にも繋がるでしょう。

 

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