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コーヒー豆の販売は許可が必要?販売方法や手順を解説

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コーヒー豆を販売する際、販売や営業に関する許可申請は必要なのでしょうか。既存店でコーヒー豆を新たに販売したい場合や、オンラインでの販売で許可が必要なのかも気になるところです。

ここでは、コーヒー豆の販売に必要な許可や申請が必要となるケースについて解説しています。営業届の出し方や副業でコーヒー豆を販売する際の注意点についても紹介していますので、コーヒー豆の新たな販路開拓や販売手順などについて知りたい際の参考としてもお役立てください。

コーヒー豆の販売に必要な許可とは

コーヒー豆の販売に必要な許可について解説します。

2021年6月よりコーヒー豆の販売には届出が必要に

2021年6月の法改正により、それまでは特に届出が必要なかった食品に対しても、2021年6月以降は届出が必要となりました。

コーヒー豆の焙煎や粉砕しての販売がこれにあたり、2021年6月以降にコーヒー豆を自家焙煎したり、粉砕して販売したりする場合には、管轄の保健所へ「営業届」の届出が必要となっています。

なお、コーヒー豆を挽いたり焙煎したりせず、生豆や他社で焙煎・パッケージ済みのコーヒー粉などを仕入れて店頭販売する場合には、届出の必要はありません。

また、コーヒー豆の販売以外にカフェ営業を行う場合には、営業届とは別に営業許可証の取得も必要です(※2023年4月時点)。

営業届とは

営業届とは、食品などを製造、販売する際に管轄の保健所へ提出する届出のことをさします。コーヒーを自家焙煎したり、豆を粉に挽いたりして販売する場合は「コーヒー製造・加工業(飲料の製造を除く。)」の営業届の提出が必要です。

営業届の必要な食品業は、このほかにも野菜果物類や製茶、魚介類などさまざまな種類があります。

営業許可証とは

営業許可証とは、営業するにあたって管轄の保健所へ営業許可を申請し、要件を満たした場合に交付される許可証のことです。営業許可証は、保健所へ申請後に店舗の立ち会い検査などを受け、営業が許可されてはじめて交付される点が営業届とは異なります。

カフェや喫茶店などを開業する場合には、飲食店の営業許可を申請する必要があることに加え、お酒や乳製品など、製造加工して販売する食材の種類によっては個別に許可申請が必要になるケースもあります。

いくつかの要件に該当する場合に営業届が必要となったり、カフェ開業やその他物品の販売予定があったりする場合など、ケースによって申請するべき届出や許可申請は異なります。

申請料など管轄地域によって異なる点もあるため、食品販売やカフェ開業を始める前に、不明な点は管轄の保健所へ問い合わせてみることをおすすめします。

コーヒー豆の販売に届出・申請が必要なケース

コーヒー豆の販売に許可や届出の提出が必要とされるいくつかのケースについて、以下で見ていきましょう。

※ここで販売するコーヒー豆は、自家焙煎や粉砕など、自身で加工を行って販売することを前提として解説します。

店舗型のカフェで新たにコーヒー豆をネット販売したい

カフェ開業に伴う飲食店の営業許可とは別に、コーヒー豆の加工販売に関する届出が必要です。ネット販売に限らず、店舗内でコーヒー豆を加工販売する場合には営業届の提出が必要となります。

ホテル内に設置したコーヒースタンドで豆の販売をしたい

ホテル業とは別にコーヒースタンドの飲食店営業許可を取得している場合でも、コーヒー豆の加工販売には営業届の提出が必要です。

コーヒー豆の販売はしないが、自家焙煎でコーヒーを提供したい

飲料としてのコーヒーを提供する場合は飲食店の営業許可が必要です。また、豆を自家焙煎する場合は、コーヒー製造・加工の届出も必要となります。

コーヒー豆加工販売の営業届を提出する方法

コーヒー豆の加工販売に関する営業届を提出する方法は以下の通りです。

オンラインによる提出が可能

コーヒー豆販売の営業届については、管轄の保健所へ直接届を提出するほか、オンライン上での提出も可能です。国の食品衛生等申請システム(事業者向け)からの電子申請が可能で、手数料は無料となっています。

オンラインによる営業届の出し方

オンラインによるコーヒー製造・加工販売の営業届の出し方は、以下のような流れとなります。

営業届提出前に用意するもの:

  • ・食品衛生責任者の資格
  • ・登録用メールアドレス
  • ・インターネット環境

食品衛生責任者の資格は、事前に各地方自治体で開催している講習を受講することで取得できます。届出時に取得していなくても、1年以内に取得することを条件として、氏名を記入することができます。

また、調理師・栄養士などの免許を持っている場合は、食品衛生責任者の資格に代えることが可能です。

申請方法:

  • ・食品衛生等申請システムへアクセスする
  • ・必要事項を入力・登録する
  • ・メールアドレス宛に届いたメール内のリンクをクリックし「アカウントを有効化」する。
  • ・営業の届出を選択し、必要事項を入力
  • 「新規営業施設」「新規届出」を選択し、
  • 主として取り扱う食品又は添加物として「コーヒー豆」「ばいせんコーヒー豆」を選択する
  • ・コーヒー製造・加工業(飲料の製造を除く。)の新規届出として確認・登録する

オンライン申請時の注意点

営業届のオンライン申請はスマートフォンからも可能ですが、画面操作の関係上パソコンからの申請が推奨されているようです。

営業届だけでなく、営業許可申請もネットで申請できますが、不備があると差し戻しになるなど、申請時のハードルは営業届よりも高いようです。スムーズに営業許可の申請をしたい場合は、事前に管轄の保健所へ確認することをおすすめします。

オンライン申請後の流れ

営業届が受理されたら、食品衛生責任者の資格がまだ取れていない場合は1年以内に取得します。時期によっては講習の予約が埋まってしまい、受講しづらい場合があるため、早めに受講するようにしましょう。

また、販売する食品のパッケージには法律で定められた食品表示の記載が必要な場合があります。加工食品の表示記載例は以下の通りです。

  • ・名称
  • ・保存方法
  • ・消費期限または賞味期限
  • ・原産国(輸入豆の場合)
  • ・原材料名
  • ・添加物
  • ・内容量
  • ・栄養成分量及び熱量
  • ・食品関連事業者の住所・名称
  • ・製造所または加工所の住所・名称

コーヒー豆の加工販売では、対面などで販売する場合、上記のような食品表示は特に義務付けられていません。そのため、カフェ内に併設した販売コーナーでコーヒー豆を販売する場合や、コーヒースタンドなどで店頭販売する場合には食品表示の記載義務はないといえます。しかし、オンラインや通信販売など、不特定多数へ販売する場合は食品表示が必要となります。

詳しくは、消費者庁のホームページの食品表示ガイドなどで確認してみましょう。

副業でコーヒー豆の販売をする場合の注意点

副業でコーヒー豆を販売する場合の注意点についても解説します。

各種届出は本業の時と同様に行う

副業であっても、コーヒー豆の販売をする場合は営業届が、カフェを開く場合は営業許可申請が必要です。

本業で営業する際と同様の手続き、申請を行うようにしましょう。

開業届も必要

コーヒー豆の販売やカフェ開業に限らず、自営業で一定以上の所得を得る場合には、管轄の税務署へ開業届などの提出をします。青色申告で確定申告する場合には、青色申告承認申請書も提出します。一定以上所得があれば、副業でも確定申告が必要となるためです。

確定申告の際、所得は売上から控除額や諸経費を差し引いて計算します。経費のレシートや売上の記録などは必ずとっておくようにしましょう。

また、コーヒー豆販売以外の本業が自営業である場合、副業の所得額に関わらず確定申告が必要となる場合があります。

不明な点があれば管轄の税務署か、税理士などの専門家へ相談してみるとよいでしょう。

副業でコーヒー豆販売をする場合の注意点

副業で一定以上の利益を出したい、または副業から始めていずれは本業としたい場合、利益が出るように考えて営業することが大切です。副業からコーヒー豆の販売をスタートする場合、豆を大量に安く買い付けたり、利益率を高めたりすることは難しいものです。

「ここのお店でコーヒー豆を買いたい」と思われるような付加価値を付けて、リピーターを増やせるかどうかが成功のカギとなるでしょう。

事業が軌道に乗るまでの間、一定期間赤字が続く可能性も考慮して開業準備するようにしましょう。

コーヒー豆の販売には営業届の提出が必須!カフェオーナーは早めの提出がおすすめ

コーヒー豆の販売は、2021年6月の法改正により、自家焙煎や粉砕をして販売する場合は営業届の提出が必要となりました。既に焙煎済みのパッケージされたコーヒー豆やコーヒー粉を仕入れて販売する際には営業届は不要ですが、コーヒー豆の販売と併せてカフェを開業する場合には、飲食店の営業許可申請が必要となります。

製造・加工する食品の種類やカフェを開業するかどうかで、申請や届出が必要かどうかは異なります。カフェ開業前で不明な点は管轄の保健所などへ確認しましょう。既に飲食店の営業許可証の交付を受け、カフェを開業していてコーヒー豆の販売を始めた、という場合には、コーヒー製造・加工販売の営業届をすみやかに提出するようにしましょう。

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