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本とコーヒーが楽しめるブックカフェを開業するには?準備するべきポイントや流れを解説

開業方法・準備編集部オススメまとめ

おいしいコーヒーと本の両方が楽しめる店舗として人気のあるブックカフェ。開業するには、どのような点に気をつければよいのでしょうか。準備するべきポイントや開業までの流れについて知りたい方も多いでしょう。

ここでは、そもそもブックカフェとはどのような形態の店舗なのか、ブックカフェの種類に加え、開業する際のポイントや流れなどについて解説しています。ブックカフェのコンセプトづくりの参考にできる事例もご紹介していますので、開業やコンセプトにお悩みの際の参考としてお役立てください。

ブックカフェとは

ブックカフェとはどのようなカフェなのか、概要について確認していきましょう。

カフェと書店が融合したお店

ブックカフェは、コーヒーやフードメニューを提供するカフェと本を販売する書店が融合した店舗のことです。本を置くスペースとカフェコーナーのバランスによって「ブックスペースのあるカフェ」や「カフェスペースのある書店」などが決まります。

書店とカフェの相性は良く「本を探す」「本を読む」という行為と、コーヒーを楽しむことは、どちらもゆったりとリラックスした時間を持てる点が共通しています。「本を持ち込んでカフェに行く」というスタイルから発展した業態であるともいえるでしょう。

また、近年ではオンラインによる書籍販売や電子書籍などによって、書店の閉店を耳にする機会も多くなってきています。書店の売上を支える目的や、カフェ併設で小規模の書店スペースとして維持できるメリットもあり、減少する書店の需要とも相まって、ブックカフェは増える傾向にあるようです。

ブックカフェの種類

ひとくちにブックカフェといっても、本のジャンルや設置方法によっていくつかの種類に分けることができます。代表的な種類を以下にピックアップしてみましょう。

・新刊を扱うブックカフェ

新刊を扱う、通常の書店としての機能を持ったブックカフェです。メインは書店で、カフェコーナーよりも本の設置スペースの方が大きい場合が多く、カフェコーナーを併設する大手書店などが挙げられます。

・古本を扱うブックカフェ

古書や中古の本を扱うブックカフェです。レトロなコンセプトや純喫茶などとの相性が良く、古民家を回収して古書店とカフェスペースを兼ねて営業している店舗もあります。

・本のジャンルを絞っているブックカフェ

マンガや釣り、スポーツなど趣味に関する本や昭和時代の文学作品、文庫本など、特定のジャンルに絞った本を扱うブックカフェです。

店主のこだわりが出しやすい点と、設置する本の選別がしやすい点、同じ趣味や嗜好のお客様を集めやすい点がメリットとなります。

・販売はせず閲覧のみのブックカフェ

本の販売は行わず、カフェでコーヒーを楽しみながら読書ができるスタイルのブックカフェです。マンガ喫茶や雑誌を置いているカフェなど、古くから見かけることの多い店舗も含まれますが、洋書やデザイン集など閲覧できる本のジャンルを絞っているブックカフェもあり、コンセプトは多様化してきています。

この他にも、本以外に雑貨や食材を販売するカフェや、閲覧と販売の両方が可能なカフェなどもあります。

ブックカフェを開業する際のポイント

ブックカフェの開業を検討する際は、以下のポイントを参考にしてみましょう。

コンセプトを明確にしておく

ブックカフェに限らず、店舗の開業にはコンセプトの明確化がとても重要です。物件選びや本のジャンル、カフェのメニューや価格設定など、お店作りのすべてにおいてコンセプトが関わってくることとなります。

例えば本の販売をメインにしたブックカフェの場合、駅に近い立地の比較的小さな店舗を取得して、コーヒーなどのカフェメニューはテイクアウト可能にする、といったところまでコンセプトを明確にしておくと、その後の準備がイメージしやすくなります。

ゆったりと本を選びながらコーヒーも楽しんでもらいたい場合は、静かなエリアで落ち着いた内装の物件を選び、テーブルスペースも広く取ってコーヒーにもこだわるなど、コンセプトによって同じブックカフェでも選ぶ立地や条件が違ってきます。後で後悔することのないよう、実際に動きだす前に、できるだけコンセプトやイメージを固めておくようにしましょう。

必要な届出や資格を確認する

ブックカフェの場合、カフェを営業するためには飲食店の営業許可が必要となります。また、古本を扱う場合は別途古物商の許可が必要となります。飲食店の営業許可には食品衛生責任者の資格取得が必要となり、物件を管轄する地域の保険所へ申請後、立ち会い検査をクリアすることで許可証の取得が可能となります。

古物商の許可は、管轄の警察署へ申請が必要となりますが、条件によっては許可が取れない場合もあるため注意が必要です。

はじめて店舗経営する場合は税務署への開業届も必要となり、物件の内装や備品購入のスケジュールなども合わせると、開店準備は多忙を極めることが予想されます。関係各所への事前相談やリストアップ、スケジュール表などを活用して、余裕を持って準備を進めるようにしましょう。

仕入方法を選定する

新刊を取り扱う場合、本の仕入方法には、売れない本は返品可能な「委託販売」と、返品はできないが仕入価格を抑えて買い取れる「買い切り」の2種類があります。

近年では1冊からでも委託販売可能な取次店もありますが、ジャンルにこだわって仕入れるなら買い取りの方が確保しやすい場合もあるでしょう。

本の仕入と併せて、カフェ用のコーヒーや食材の仕入先も確保する必要があります。

初期費用と運転資金には余裕を持つ

初期費用には

  • ・物件取得費
  • ・内装、外装の施工費用
  • ・備品や家具の購入費用
  • ・仕入にかかる費用
  • ・運転資金

などが挙げられます。特に運転資金は、経営が軌道に乗るまでは赤字が続いても耐えられるだけの余裕が必要です。少なくとも3~6ヶ月程度は固定費をペイして生活できる程度の資金を確保しておくようにしましょう。

自己資金に不安がある場合はDIYやレンタル、中古品の活用なども検討し、初期費用を抑える努力も大切です。物件取得時は家賃などの固定費も考慮して選ぶようにしましょう。

開業までの流れ

ブックカフェ開業の大まかな流れとしては

  • 1. コンセプト作り
  • 2. 物件と業者選び
  • 3. 保健所などへの事前相談、必要な資格の講習受講
  • 4. 物件取得、工事依頼、各種許認可申請
  • 5. 備品等購入、仕入
  • 6. 許可証取得、広告宣伝、食材仕入、開業

2から6までの手順は多少前後することもあります。取得した物件や予算によっては、適宜コンセプトを軌道修正する場合もあるでしょう。大まかな計画の中で、臨機応変に対応することが大切となります。

ブックカフェのおすすめコンセプト例

ブックカフェで取り扱う本のジャンルにはさまざまなものがあり、コンセプトと併せて決めることが大切です。ブックカフェにおすすめのコンセプトには、以下のようなものが挙げられます。

森の中の書店

森の中をイメージしたようなブックカフェです。観葉植物や木目調の家具を置き、ナチュラルな内装、外装を基調とした落ち着いた雰囲気づくりをします。

ヘルシーでオーガニックなカフェメニューを提供し、自然をテーマにした本や写真集、神話や伝説に関するジャンルの本などが向いています。

作家や作品がモチーフのカフェ

昭和の文豪の作品をモチーフにしたブックカフェです。文豪の作品にちなんだドリンクや、作品の中に登場するメニューなどを提供するのも人気が出やすいでしょう。作家の誕生記念イベントなど、さまざまな企画も可能です。

イベントカフェ

小規模に活動している出版社や作家とコラボレーションして、写真集や画集などの個展開催や、読書会や即売会を行うなど、イベントや交流を目的としたブックカフェです。ワークショップや自主映画の上映会、パンフレット販売など、イベントをベースに本の販売とカフェの提供を行う方法もあります。

音楽が楽しめるブックカフェ

ジャズやボサノバなどジャンルを絞り、音楽雑誌と併せてCDやレコードを販売するブックカフェです。試聴スペースを設ける、ライブや演奏会を開催するといった方法もあります。演奏や大きな音量で音楽を再生する場合は、防音設備や立地、周辺への配慮なども確認する必要があります。

絵本カフェ

国内外の絵本を揃えたブックカフェです。既存の絵本カフェの中では、小さなお子様連れのお客様のニーズに応じて、店内で閲覧のみ可能としているところもあるようです。子ども向けの絵本でも、名作は年齢を問わず大人でも楽しめます。絵本の世界に迷い込んだようなレトロな雰囲気や、絵本の中で紹介されているお菓子をメニューに取り入れるのもよいでしょう。

ブックカフェの開業に必要な知識をもっと知りたい方へ

開業ナビでは、カフェの開業方法や準備についてさまざまな情報をご案内しています。カフェの開業に関する詳しい情報や、運営におけるノウハウなどもご紹介していますので、気になる方はチェックしてみてください。

◇ カフェ開業方法、準備に関するページはこちら

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ブックカフェ開業で本が読める癒しの空間を提供しよう

書店とカフェが融合したブックカフェは、本好きやカフェ好きはもちろん、テーマやジャンルを絞ることで、さまざまなニーズに対応することができます。こだわりを活かしたお店作りや「また利用したい」と思ってもらえる癒しの空間を提供しましょう。

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